「足首をひねったけど、たぶん大丈夫」「最近ずっと膝が痛いけど、練習で疲れているだけかな」――スポーツをしている方やそのご家族から、こうした相談をよくいただきます。
スポーツによるケガは、「痛いけど様子を見る」で済ませてしまいがちです。しかし中には、放置すると競技復帰が遅れたり、将来的な関節のトラブルにつながったりするケガも含まれています。この記事では、スポーツ外傷・障害の基本的な考え方から、見分けるべき病気、やってはいけない対応、そして受診の目安までをまとめました。
スポーツによるケガは、大きく2つに分けられます。この違いを知っておくと、自分の痛みがどちらに近いのか見当がつきやすくなります。
※スポーツ障害(使い過ぎ)が土台にあり、そこに1回の外力が加わってスポーツ外傷として発症することもあります。「急に痛くなった」と思っていても、実は以前からの負担の積み重ねが背景にある場合も少なくありません。
X線(レントゲン)検査は骨折の有無を確認するのに適していますが、靭帯や筋肉、半月板そのものは写りません。靭帯損傷や半月板損傷、肉離れの重症度を正確に評価するには、MRI検査が必要になることがあります。「レントゲンで骨折はなかったから大丈夫」と自己判断してしまうと、靭帯や筋肉の損傷を見逃してしまう可能性があります。
「どうせ捻挫だろう」「ただの筋肉痛だろう」と自己判断する前に、同じ部位の痛みでも原因が複数ありうることを知っておきましょう。
以下のような場合は、「様子を見る」ではなく、早めの受診をおすすめします。
※特に成長期のお子さんの場合、「そのうち治る」と様子を見すぎることで、成長軟骨への影響や、競技復帰までの期間が長引くことがあります。痛みを我慢して練習を続けることは避け、気になる場合は早めにご相談ください。
従来、応急処置は「RICE(安静・冷却・圧迫・挙上)」が基本とされてきました。近年は、安静(Rest)だけに頼るのではなく、「保護(Protect)」と「適切な負荷(Optimal Loading)」を組み合わせた「POLICE処置」という考え方が広まっています。
※どの程度の負荷が「適切」かは、損傷の種類や重症度によって異なります。自己判断で早期に負荷をかけすぎると悪化のおそれがあるため、まずは医療機関で損傷の程度を確認することをおすすめします。
当院では、痛みが引いたらすぐに全力でプレーに戻る、という考え方はとっていません。可動域の回復、筋力トレーニング、競技特有の動作練習という段階を踏みながら、再受傷のリスクを抑えて復帰していくリハビリテーションを基本方針としています。特に成長期のお子さんは、骨や軟骨がまだ発達段階にあるため、年齢や成長段階に応じた慎重な復帰計画が重要です。
当院のヘルストロン(電位治療器)は、頭痛・肩こり・不眠症・慢性便秘に対して承認された治療機器であり、スポーツ外傷そのものを治療する機器ではありません。ただし、運動後の体調管理の一環として、リハビリと並行して利用いただくことは可能です。あくまで主体はリハビリテーションであり、機器はその補助という位置づけです。
スポーツのケガは、「痛みを我慢して練習を続ける」ことが、結果的に競技復帰を遅らせたり、繰り返しのケガにつながったりすることがあります。次のような場合は、一度受診のうえ、ご自身の状態を確認することをおすすめします。
「このくらいなら大丈夫」と自己判断するより、一度診察を受けて今の状態を確認することが、結果的に早い競技復帰につながります。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「スポーツ外傷・障害予防」/日本整形外科学会関連資料/靭帯損傷の画像診断に関する医療機関解説記事