再挑戦の夏から、下関へ ― サブ4への挑戦記
~46歳からのマラソン再出発~
昨年、私は初めてフルマラソンに挑戦しました。
出場したのは「福岡マラソン2024」。
結果はネットタイム5時間5分。何とか完走できたものの、後半は脚が止まり、ちょこちょこ歩きながら完走。
それでも、ゴール後の達成感は格別で、「もう一度、自分の足で限界を超えたい」と心に決めました。
福岡マラソン落選、そして下関へ
今年の春、再び福岡マラソンにエントリー。
しかし結果は「落選」。
残念でしたが、何か決めないと練習しないたちなので、1週間後に開催される下関海響マラソンへの出場を即決。
“再挑戦の舞台”が決まりました。
ここからが、私の2025年の挑戦のはじまりです。
7月からのトレーニング再始動
昨年のマラソン以降、実はトレーニングはほとんどしていませんでした。
だからこそ、7月に再び走り出したときは、まるでゼロからのスタート。
去年の練習開始時よりは走れましたが、又走れる足を作るところからスタート。
それでも、7月は合計100km。
暑い中でも“走る体”を少しずつ取り戻す時期でした。
8月:ガーミン導入で意識が変わる
8月は71km。
距離は少し減ったものの、この月にガーミンのランニングウォッチを購入しました。
ペース、心拍、ピッチ、ストライド――。
これまでもスマートウォッチで、心拍数や走行距離は計測していましたが、より「見える化」されたことで、モチベーションが一気に上がりました。
いろんな機能がついていて、楽しい…。
走るたびに自分の成長を確認でき、練習が科学的に変わっていく感覚がありました。
9〜10月:積み上げた300kmの軌跡
| 月 | 距離 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 7月 | 100km | 走る体の再構築。ジョグ中心 |
| 8月 | 71km | ガーミン導入、ペース管理開始 |
| 9月 | 155km | 5km走×3本、週末のロングジョグ |
| 10月 | 120km | ペース走中心+疲労抜き。10/17に30km走 |
累計450kmほど
昨年とは比べものにならないほど“準備した”という自信があります。
1kmベスト:4分27秒
5kmベスト:23分13秒
10kmベスト:50分28秒
(※ランニング中のラップのベスト)
そして10月17日には30km走を完遂。
ペースを維持し、最後まで脚が止まらなかったことが大きな手応えでした。
リカバリーを支えた「3つの回復アイテム」
今年の練習では、「走ること」だけでなく「整えること」を徹底しました。
特に役立ったのがこの3つ👇
酸素カプセル
ロング走後の疲労感が激減。
翌朝の脚の軽さが全く違いました。睡眠の質も向上。
干渉波治療
ふくらはぎやハムストリングの張りを早めにケア。
筋肉の回復を促してくれました。
ヘルストロン
練習後のリラックス目的で使用。
全身の血流が良くなり、翌日の疲労感が軽減。
仕事をしながらの練習は、どうしても疲労が溜まります。
だからこそ、「リカバリー」が続けるための鍵。
この3つのサポートがなければ、今回の積み上げは実現できなかったと思います。
🎯 サブ4への作戦
今回の目標は明確です。
「サブ4」=4時間切り。
昨年の5時間5分から、約1時間以上の短縮を狙います。
そのために採用したのが、小出義雄監督の著書
『30km過ぎで一番速く走るマラソン』で紹介されている“後半型の走り”です。
果たして30kmからペースがあげれるものなのか?あまり自信がないですが、実践してみます。
📊 サブ4ペースプラン
| 区間 | ペース | 累計時間 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 0〜5km | 6’00/km | 0:30 | 体を温める・無理しない |
| 5〜10km | 5’50/km | 0:59 | 呼吸を整える・フォーム安定 |
| 10〜20km | 5’45/km | 1:56 | リズムを一定に・脚を温存 |
| 20〜30km | 5’35/km | 2:52 | 集中力を切らさない |
| 30〜35km | 5’25/km | 3:19 | 勝負区間。小出式「加速」開始 |
| 35〜42km | 5’20〜5’30/km | 3:57 | ラストスパートで勝負! |
トータル:3時間57分前後(サブ4)想定
レース中の工夫と準備
音楽プレイリスト:
序盤はゆったり、後半はアップテンポ。
リズムで心を持ち上げる構成。
Amazon music(プレイリスト公開予定)
携行アイテム:
・ロキソニン(痛み対策)
・芍薬甘草湯(足のつり予防)
・リポC(ビタミン補給・疲労回復)
長丁場のレースでは、「体調」「メンタル」「補給」の3点がそろって初めて走り切れます。
特にリポCは、疲労感の軽減や集中力維持に心強い味方です。
応援してくれるみなさんへ
応援ナビというアプリをインストールすると出場ランナーの名前を入力すると当日追跡が可能です。良かったら追いかけてみてください!
終わりに
いよいよ本番直前。
体調も整い、準備は万全です。昨年の自分を超えてきます!
下関の海風を感じながら、42.195kmを駆け抜けてきます。
果たして46歳の再挑戦――サブ4達成できるのか?
酸素カプセルや干渉波、ヘルストロンなどの回復サポートは、
マラソンだけでなく日常生活の疲労回復や睡眠改善にも役立ちます。
走る人も、走らない人も――“整える時間”が、明日の元気につながります。整いたい人お待ちしてます!
👣 はじめに
先週よりロコモについてお話してきました。そもそもロコモとは(前回記事)
→「ロコモ」って知っていますか? 〜ロコモコ丼じゃありません!〜
ロコモティブシンドローム(ロコモ)の予防・改善において、運動と並んで欠かせないのが「栄養」です。
どれだけ適切な運動を行っても、材料となる栄養素が足りなければ筋肉も骨も回復・強化できません。
今回は、臨床現場でも重視される「筋肉と骨を支える栄養学」について詳しく見ていきましょう。
🥩 1. 筋肉を作る「タンパク質」の重要性
筋肉は、食事から摂取したタンパク質を材料に合成されています。
加齢とともに筋合成の効率は低下し、同じ量を食べても若い頃のように筋肉が維持できないことが知られています。
💡 推奨摂取量
🍗 主なタンパク質源
|
食材 |
タンパク質量(約) |
特徴 |
|
鶏むね肉100g |
22g |
低脂質・高タンパク |
|
魚(鮭・サバ)100g |
20g |
EPA・DHAも豊富 |
|
卵1個 |
6g |
アミノ酸スコア100 |
|
納豆1パック |
8g |
植物性タンパク+イソフラボン |
|
牛乳200ml |
6g |
吸収の良い乳タンパク |
🧃 2. プロテイン補助食品の活用と注意点
💬 「プロテインは必要?」
食事で必要量を摂るのが理想ですが、高齢者や食欲低下のある方では補助的にプロテインを活用するのも有効です。
🧈 タイプ別の特徴
⚠️ 腎機能への注意点
タンパク質摂取量が過剰になると、腎臓への負担が増すことが指摘されています。
特に以下の方は注意が必要です。
👉 プロテインを始める前に、血液検査で腎機能(eGFR・クレアチニン)を確認し、医師に相談するのが安全です。
また、水分摂取(1.5〜2L/日程度)を意識して、腎への負担を減らしましょう。
🦴 3. 骨を守る「カルシウム」と「ビタミンD」
🦷 カルシウム
骨の主成分であり、不足すると骨密度低下や骨折リスク上昇を招きます。
☀️ ビタミンD
カルシウムの吸収を助け、筋力にも関与します。
👉 ビタミンDが不足すると、筋力低下・転倒リスク増加が報告されています。
日本人高齢者では、約7割が不足状態というデータもあります。
🥦 4. 骨代謝を支えるビタミンK・マグネシウム・亜鉛
これらの栄養素は単体ではなく、バランス良く摂取することで相乗効果を発揮します。
🧍♂️ 5. サルコペニアと低栄養の関係
サルコペニア(加齢性筋肉減少症)は、運動不足+低栄養が原因の二大要素です。
タンパク質・エネルギーが不足すると、身体は筋肉を分解してエネルギーに変えるため、
筋力低下 → 活動量低下 → 食欲減退 → さらなる低栄養という悪循環に陥ります。
👉 栄養介入(特にタンパク質+ビタミンD補給)は、サルコペニア進行を防ぐ最も確実な手段の一つです。
🔄 6. 「運動 × 栄養」の相乗効果
運動による筋刺激があって初めて、摂取したアミノ酸が筋肉に取り込まれます。
つまり――
「食べるだけではダメ、動くことが筋肉を活かす」
が鉄則です。
🏋️♀️ 理想的なタイミング
また、リハビリや理学療法で筋活動を継続的に刺激することで、
栄養摂取の効果を最大限に引き出すことができます。
✅ まとめ
💬メッセージ
ロコモは「足腰の病気」ではなく、「生活全体のバランスの病気」です。
食べること、動くこと、その両方を整えていくことが、何歳からでも可能な予防法です。
クリニックでは運動指導・リハビリに加え、栄養面からのアドバイスも行っています。
気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
ロコモ予防・改善のカギ① ― 運動編
👣 はじめに
先週よりロコモについてお話してきました。そもそもロコモとは(前回記事)
→「ロコモ」って知っていますか? 〜ロコモコ丼じゃありません!〜
今回は予防についてのお話しです。
ロコモティブシンドロームの進行を防ぐうえで、運動療法は最も重要な柱です。
特に「下肢筋力」と「バランス能力」を高めることは、転倒・骨折予防の観点からも欠かせません。
ここでは、整形外科やリハビリの現場で推奨される専門的な運動方法をご紹介します。
💪 筋力トレーニング(Resistance Training)
⚖️ バランストレーニング
🧘 柔軟性・可動域訓練
関節可動域の制限は、動作の非効率化や転倒リスク増加につながります。
👉 関節の柔軟性を保つことで、歩幅が広がり、2ステップテストの改善にもつながります。
🫀 有酸素運動(Aerobic Exercise)
👉 有酸素運動は心肺機能だけでなく、サルコペニア予防にも寄与します。
🏥 クリニック・リハ室で行う専門的運動療法
👉 専門スタッフによる運動指導は、患者さんの状態に応じて 無理なく効果的に続けられる ことが強みです。
📈 運動の効果を評価する
👉 数値で効果を見える化することで、継続のモチベーションにつながります。
⚠️ 運動療法の注意点
✅ まとめ
🏥 院長よりひとこと
ロコモは「気づいた時点で対策できる」状態です。
当クリニックでは、患者さんごとに合わせた運動療法やリハビリ、装具療法まで含めて総合的にサポートしています。
気になる方はぜひご相談ください。

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科
■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分
院長 金沢 正幸
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター
※婦人科は女性専門医が診察にあたります。
ロコモ度テストでセルフチェック! ― あなたは大丈夫?
👣 はじめに
前回の記事では「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」とは何か、その背景や関連する病気についてご紹介しました。
前回の記事はこちら→「ロコモ」って知っていますか?
今回は、実際に 自分や家族がロコモかどうかを確認できる方法 を取り上げます。
その名も「ロコモ度テスト」。日本整形外科学会が提唱している公式のチェック方法です。
「まだ若いから関係ない」と思っている方も、ぜひ試してみてください。意外な発見があるかもしれません。
🧪 ロコモ度テストとは?
ロコモ度テストは、
立ち上がる力
歩く力
質問票による日常生活の難しさ
を測ることで、ロコモのリスクを客観的に評価する方法です。
現在、以下の3つの方法が推奨されています。
立ち上がりテスト
2ステップテスト
🪑 ① 立ち上がりテスト
方法
椅子や台を用意します(高さ40cm・30cm・20cm・10cmの順に低くしていきます)。
両手を胸の前で組み、片足または両足で立ち上がれるかを確認します。
判定の目安
20cmの高さから片足で立ち上がれない → 筋力低下の可能性大
両足でも30cmから立ち上がるのが難しい → ロコモのリスクあり
👉 太ももの筋肉(大腿四頭筋)の力を評価できるテストです。
👟 ② 2ステップテスト
方法
床にテープでスタートラインを引きます。
できるだけ大きく2歩進んで、止まった位置までの距離を測ります。
身長で割った値を計算します。
判定の目安
1.5以上 … 問題なし
1.3〜1.5未満 … ロコモの可能性あり
1.3未満 … ロコモが進行している可能性大
👉 歩幅の広さは「歩く能力」の重要な指標です。
📝 ③ ロコモ25(質問票)
25問の質問に答えることで、日常生活での困難さを点数化する方法です。
例えば:
片足立ちで靴下がはけますか?
家の中でつまずくことはありますか?
15分くらい続けて歩けますか?
👉 合計点が高いほどロコモのリスクが高いとされます。
※自宅で気軽にやる場合は、立ち上がりテストと2ステップテストだけでも十分参考になります。
一度確認してみては?
確認したい方は→ロコモ25
📊 判定とロコモの「段階」
ロコモには「度」という進行度の概念があります。
ロコモ度1:予防が必要な段階(初期)
ロコモ度2:日常生活に支障が出始めた段階
ロコモ度3:自立した生活が困難な段階
👉 早く気づけば気づくほど、運動や生活習慣の改善で進行を止めることができます。
🧍♀️ セルフチェックして気づくこと
実際にやってみると…
「意外と立ち上がれない」
「歩幅が思ったより狭い」
「質問票の点数が高い」
など、自分では気づいていなかった“足腰の衰え”に気づくことがあります。
🏋️♂️ チェックで気づいたらどうする?
セルフチェックで「ちょっと怪しいかも」と思ったら、放置せず行動することが大切です。
改善のためにできること
筋トレやストレッチを日常に取り入れる
栄養バランスを意識した食生活
無理のない有酸素運動(ウォーキングなど)
そして何より大切なのは、医療機関で正確に評価してもらうこと。
転倒や骨粗鬆症が隠れている場合もあるため、クリニックでの診察がおすすめです。
📌 まとめ
ロコモ度テストには「立ち上がりテスト」「2ステップテスト」「ロコモ25」がある
簡単にセルフチェックができるので、まずは自分の現状を知ることが大切
気になる結果が出たら、ぜひ受診してみてください。
「ロコモ」って知っていますか? 〜ロコモコ丼じゃありません!〜
🍳 はじめに
「ロコモ」って聞いたことがありますか?
初めて耳にした方は、「ロコモコ丼のこと?」と思ったかもしれません。
たしかに響きは似ていますが、残念ながらご飯の上にハンバーグと卵が乗ったハワイの人気料理ではありません。
医学の世界でいう「ロコモ」とは ロコモティブシンドローム の略。
私たちの足腰の健康、ひいては「元気に歳を重ねる」ために避けては通れないキーワードなのです。
🚶♂️ ロコモティブシンドロームとは?
「ロコモ」の意味
ロコモティブ(locomotive) … 運動器(骨・関節・筋肉など、体を動かす仕組み全体)
シンドローム(syndrome) … 症候群
つまり「ロコモティブシンドローム」とは、運動器の障害によって移動機能が低下した状態 を指します。
ロコモは“足腰の警告サイン”
例えばこんな経験はありませんか?
階段を一気に登れなくなった
正座から立ち上がるのに手をつくようになった
ちょっとした段差につまずく
これらは「歳のせい」と片付けがちですが、実はロコモの入り口かもしれません。
📊 なぜロコモが注目されているのか?
1. 超高齢社会という背景
日本は世界でも突出した高齢化社会です。
平均寿命は男性81歳、女性87歳(2024年データ)に達していますが、「健康寿命」は男性72歳、女性75歳ほど。
👉 約10年もの差 があるのです。
その差を埋める大きなカギが「ロコモ対策」です。
2. 介護が必要になる原因の上位
厚生労働省の調査によると、要介護の原因で多いのは
認知症
脳血管疾患(脳梗塞など)
運動器の障害(関節疾患・転倒・骨折)
この「運動器の障害」が実は全体の2割近くを占めています。
3. 誰もが無関係ではいられない
ロコモは高齢者だけの問題ではありません。
運動不足の40代・50代
仕事で長時間座りっぱなしの人
過去にスポーツでケガをした人
すでに「予備群」になっていることも珍しくないのです。
🧓 ロコモが進行するとどうなるのか?
ロコモは少しずつ進行します。
初期のうちは「疲れやすい」「立ち上がりにくい」程度でも、放っておくと次第に生活に大きな影響を及ぼします。
外出がおっくうになる
転倒・骨折のリスクが高まる
寝たきりにつながる
筋力やバランス機能が落ち、活動範囲がどんどん狭くなる
さらに外に出なくなることで 気持ちがふさぎ込む・認知機能が低下する といった二次的な問題も引き起こします。
🩺 ロコモと関係する主な病気
ロコモは単独で起こるわけではありません。
その背景には、次のような運動器疾患が隠れています。
変形性膝関節症:膝の軟骨がすり減り、痛みで歩けなくなる
変形性腰椎症:腰の骨や椎間板が変化し、腰痛やしびれを起こす
骨粗鬆症:骨がもろくなり、転倒で骨折しやすくなる
そして忘れてはいけないのが「サルコペニア」です。
💪 サルコペニアとは?
「サルコペニア」という言葉も、最近少しずつ知られるようになってきました。
語源はギリシャ語で、
「サルコ(sarco)」=筋肉
「ペニア(penia)」=減少
つまり 筋肉が減ってしまうこと を意味します。
サルコペニアの特徴
筋肉の量が減る
筋力(握力など)が低下する
歩くスピードが遅くなる
これらが重なると、転倒や骨折のリスクが高まり、結果的にロコモやフレイル(虚弱)の原因になります。
サルコペニアを防ぐには?
タンパク質をしっかりとる(肉・魚・豆類・卵・乳製品など)
適度な運動を続ける(ウォーキングやスクワットなど)
十分な睡眠と生活リズム
日々の小さな工夫が「筋肉を守ること」に直結します。
サルコペニアとロコモは切っても切れない関係にあり、サルコペニア対策=ロコモ予防 でもあるのです。
🧍♀️ ロコモは「生活習慣病」でもある
ロコモは糖尿病や高血圧と同じく 生活習慣病の一つ とも言えます。
運動不足・栄養バランスの乱れ・喫煙や飲酒など、日常生活の積み重ねが症状に直結するからです。
つまり「今日から少しずつ改善」すれば予防できる可能性が高いのです。
📌 まとめ
ロコモは 運動器の障害で移動機能が低下した状態
健康寿命を縮める大きな要因であり、介護リスクにつながる
高齢者だけでなく中年期から誰にでも起こり得る
背景には 骨粗鬆症・関節疾患・サルコペニア が関わる
日常生活の工夫が予防につながる
👣 次回予告
次回は、ロコモかどうかを簡単に知る方法、
「ロコモ度テスト」を具体的にご紹介します。
ご自宅でできるチェック法もありますので、ぜひご家族で試してみてください。
🏥 メッセージ
ロコモは「気づいたときから行動できる」状態です。
クリニックでは、リハビリやインソール作成、骨粗鬆症の検査などを通じて予防と改善のお手伝いをしています。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

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整形外科と婦人科 ― 意外な組み合わせが生み出す新しい診療のかたち
こんにちは。
当院は「整形外科」と「婦人科」という、一見すると珍しい診療科の組み合わせを持つクリニックです。実はこれは偶然の産物で、私が整形外科、妻が婦人科を専門としていたというだけなのです。しかし開業してから日々の診療を通じ、両科が隣り合っているからこそできるサポートがあると日々強く感じるようになりました。
今回はその“意外な相性の良さ”について、実際の患者さんのケースを交えてご紹介したいと思います。
病院勤務時代には気づけなかった関係性
勤務医だった頃、整形外科と婦人科が直接やりとりをする機会は多くありませんでした。
MRIで偶然、子宮筋腫を発見したり、婦人科から腫瘍の骨転移の相談を受けたりする程度で、両者は「ほとんど接点がない診療科」という印象が正直なところでした。
ところが、クリニックという地域医療の場で診療を続けていると、整形外科と婦人科は実は非常に近い領域で患者さんを支えていることに気づいたのです。
更年期世代に多い“重なり合う症状”
婦人科、更年期外来に来られる方の多くは、肩こり・腰痛・手指の関節痛などの整形外科的な症状を併せ持っています。
一方、整形外科を肩や膝の痛みで受診された方が、実は更年期障害による不調(のぼせ・不眠・気分の落ち込みなど)を抱えていることも珍しくありません。
🩺 ケース① 50代女性
「最近、腰と膝が痛くて…」と整形外科を受診。詳しく伺うと、同時にホットフラッシュや気分の落ち込みもありました。婦人科でのホルモン補充療法を組み合わせることで、関節痛も更年期症状も一緒に改善に向かいました。
こうした“体全体の変化”を一か所で診られるのは、患者さんにとって大きな安心につながっています。
当院だからできること①
婦人科診察と一緒にリハビリ・物理療法が可能
一般的な婦人科クリニックでは、肩こりや腰痛に対して電気治療やリハビリを受けることはできません。しかし当院では整形外科が併設されているため、更年期で婦人科にかかった方も、腰痛に対する電気治療や運動器のリハビリを受けられます。
🩺 ケース② 40代女性
「婦人科で更年期といわれたけど、腰も重くて…」と受診。婦人科診察の後、整形外科リハビリ室で電気治療を受け、姿勢改善のリハビリも開始。徐々に症状が和らぎ、「婦人科で診てもらいながら体のケアもできるのがありがたい」と笑顔で話してくださいました。
当院だからできること②
骨粗鬆症をトータルで診る
骨粗鬆症は婦人科と整形外科の両方に関わる代表的な病気です。特に閉経後の女性では発症リスクが高く、婦人科的なホルモンの影響と、整形外科的な骨の評価や骨折予防の治療が密接に関係します。
🩺 ケース③ 70代女性
婦人科の検診で骨密度低下を指摘。整形外科で詳しく検査し、骨粗鬆症の薬物治療を開始。同時に運動療法や栄養指導を行い、骨折予防を一緒に取り組んでいます。
当院だからできること③
家族で通える安心感
整形外科と婦人科がそろっていることで、ご家族全員で受診いただけるケースも増えています。
子どもがスポーツでけが → 整形外科へ
お母さんは更年期症状や婦人科検診 → 婦人科へ
おばあちゃんは骨粗鬆症の検査 → 整形外科と婦人科で連携
🩺 ケース④ 中学生の息子さんとお母さん
サッカーで足首を痛めた息子さんを連れて整形外科へ。診察のついでにお母さんも「最近生理不順が気になっていて…」と婦人科を受診。その日のうちに親子そろって解決の糸口を見つけることができました。
このように一つのクリニックで家族それぞれの健康を支えられるのも、当院ならではの強みです。
私たちも、定期的に婦人科受診されたときに、息子さん元気にサッカーやっていますか?など近況を聞くのが楽しみです!
当院だからできること④
スポーツをする女性を支える
最近はスポーツに取り組む女性も多く、整形外科にはケガやオーバーユース(使いすぎによる障害)で来院される方が多いです。
その一方で、競技や試合の日程に合わせて「月経周期を調整したい」といった相談もあります。これらは整形外科単独では対応できませんが、当院では婦人科と連携してトータルにサポートが可能です。
🩺 ケース⑤ 学生アスリート
大会を控える学生さん。膝の痛みで整形外科を受診した際に「試合の日と生理が重なりそう」と相談がありました。ちょっとその辺は、整形外科での対応は難しい…。婦人科と連携して月経移動の指導を行い、安心して試合に臨むことができました。
おわりに
整形外科と婦人科。
一見かけ離れて見える診療科ですが、実際に地域で診療していると、患者さんの体と心を支えるうえでとても密接に関わっていることを肌で感じております。
更年期世代の不調と関節の痛み
骨粗鬆症の予防と治療
家族みんなで受診できる安心感
女性アスリートへのトータルサポート
こうした強みを生かして、私たちは「整形外科 × 婦人科」という独自の組み合わせで、患者さんの人生を支える診療を続けてまいります。
どうぞお気軽にご相談ください。

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科
■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分
院長 金沢 正幸
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター
※婦人科は女性専門医が診察にあたります。
先日は肩こりの概要についてお話ししました。(こちら)
本日は具体的な疾患や、内服、リハビリ治療について触れたいと思います。
1. 整形外科領域の疾患
肩こりを訴える患者の多くは整形外科的な問題を抱えています。
2. 婦人科領域
特に女性患者ではホルモンバランスの影響が大きいです。
3. 内科領域や眼科耳鼻科関連の疾患
4. 神経・精神領域
5. 生活習慣要因
長時間のPC作業、スマホ姿勢、運動不足、冷え、睡眠不足。これらは「本態性肩こり」の大きな背景因子です。
検査の使い分け
症状や所見に応じて「どの検査を行うべきか」を選択します。
ポイント整理

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医学博士
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日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター
※婦人科は女性専門医が診察にあたります。
はじめに — 肩こりは“ありふれた不快症状”だが侮れない
肩こり(首〜肩〜肩甲骨周囲の「張り」「こり」「重さ」「痛み」)は、一般住民の自己申告として非常に頻度の高い症状です。調査によって幅はありますが、有訴率はかなり高く、ある調査では40〜85%、別の大規模調査では首筋・肩こりを抱える人が72%前後と報告されています。日常生活や仕事のパフォーマンス、睡眠やQOLを下げることが多く、慢性化すると頭痛・不眠・うつ傾向を伴うこともあります。
肩こりが起きる「多層的」な原因
肩こりは単一の原因で生じることは少なく、以下のような要素が複合して起きます。
姿勢・負荷:長時間の前かがみ姿勢、パソコン作業、スマホの下向き姿勢、重いバッグなどで僧帽筋・肩甲挙筋などに持続的負荷がかかる。
筋・血行学的変化:持続的筋緊張による局所の微小循環障害(血流低下)→代謝産物蓄積→知覚神経過敏化。
眼精疲労・頸部の緊張:視覚負荷が頸〜肩部筋群の緊張を助長する。
精神心理的因子:ストレス・不安・抑うつは筋緊張を高めると同時に疼痛知覚を増幅させる。
寒冷・環境要因:冷房や冷えは筋緊張や血行不良を助長する。
これらのポイントは日本整形外科学会の解説や臨床ガイドライン的な整理でも同様の因子が挙げられています。
病態生理
肩こりの中心的病態は「筋の慢性的過緊張と局所血流低下」による代謝不全です。筋線維の一部が持続的に収縮し、局所の毛細血管循環が悪くなると乳酸等の代謝産物が蓄積し、これが筋膜や周辺の感覚神経を刺激して自覚症状を作ります。さらに、筋膜性トリガーポイント(圧痛点)が形成されると、離れた部位への放散痛や頭痛を引き起こすことがあります。長期化すると末梢・中枢の疼痛増幅機構(感作)も関与します。
臨床で注意したい“red flags”(要注意所見)
肩こりだからといって必ずしも単純な筋緊張だけとは限りません。下記の所見があれば早急な精査や専門紹介を検討します(緊急度・重症度の判断)。
急速に進行する筋力低下(握力低下、上肢の運動障害)や脱力感
四肢の広範な感覚障害、長引く麻痺、排尿排便障害 → 脊髄関連の病変の可能性
外傷後の疼痛で重篤な損傷を疑う場合
発熱や高度の体重減少、既往に癌がある場合(転移性病変や感染症の可能性)
激烈な胸痛や呼吸困難を伴う場合(循環器疾患や胸部疾患の可能性)
これらは整形外科領域でのスクリーニングと一致するポイントです。
初期診察の流れ(問診・診察で見ること)
問診:発症様式(徐々にか急にか)、時間帯(夜間に悪化するか)、職業・姿勢、関連症状(しびれ、頭痛、めまい、胸痛など)、既往歴(頸椎疾患、外傷、癌)を詳細に聴取。
視診・触診:姿勢(猫背、肩の高さ差)、筋(僧帽筋、肩甲挙筋、胸鎖乳突筋など)の圧痛、筋硬結(トリガーポイント)、可動域。
神経学的評価:上肢の筋力、腱反射、感覚(分布性のしびれ)をチェックし、神経根症や頚髄症の合併を見逃さない。
これらを踏まえて「本態性肩こり(検査で明らかな基礎疾患がないもの)」と判断するか、さらなる画像・検査が必要かを決めます。
どんな検査が有用か
単純X線(頚椎・肩関節):骨性変化(変形、骨棘、骨折の既往)を確認。
MRI:頚椎椎間板ヘルニア、脊髄・神経根の圧迫、腫瘍、感染の評価に有用。臨床所見で神経症状や麻痺が強ければ撮像を考慮します。
筋電図(EMG):神経障害や筋疾患を疑う場合に検討。
超音波(エコー):近年、整形分野でも高解像度エコーが普及し、腱板病変や軟部組織の炎症・肥厚をリアルタイムに評価できるため非常に有用になっています。画像での確認が治療方針(注射やリハビリの的確化)に直結することがあります。
まとめ
大多数は「本態性肩こり(検査陰性)」で、姿勢・筋緊張・ストレス・運動不足・冷えなどの生活因子が鍵。
しかし「red frags」を見落とさないこと。神経学的な異常や全身症状があれば早めにMRIなどの精査を検討
肩こりは単なる筋肉の疲労で起きることも多いですが、背景に整形外科疾患・内科疾患・婦人科疾患・神経疾患・心因性要因など多彩な病態が隠れていることがあります。ここを見落とさずに整理することが重要です。次回は、具体的な病名や、治療について述べたいと思います。

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科
■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分
院長 金沢 正幸
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター
※婦人科は女性専門医が診察にあたります。
こんにちは、本日は本の紹介です。
小出監督の

きっかけは、医師会での集まりの帰りにとある先生から「小出監督の本は一度読んでみるといいよ」と勧められました。
帰りに早速ポチって取り寄せました。薄い本なのでサクッと読めます。
正直、最初は「30km過ぎてから速く走れるなんて本当かな?」と半信半疑でした。30km走った時点でめちゃキツイわけで…
前回の初マラソンでは、30kmを過ぎると足が動かなくなり、そこからは苦しい我慢の時間。ペースは落ちる一方で足が痛すぎてどうしようもありませんでした。いわゆる「30kmの壁」ってやつです。
今年も、7月から練習開始しましたが、42km通してどう走るかのイメージがつかなかったので、この本はとても参考になりました。
練習に取り入れてみて
ブ4、サブ3.5、サブ3と焦点をあて練習法を解説。理屈もしっかり説明されており、具体例もあるなど実践的でした。オリンピックメダリストを育てた名監督でもあり説得力は抜群です。
本番13週前からのメニューとなっていて、本書を読み終えたのが7週間前ですが、アレンジして練習メニューに組み込んでみました。まだ結果がどう出るのかわかりませんが、次回のマラソンでは、前半ゆっくり後半にペースを上げる走りを意識して挑んでみたいと思います。
👉 同じように30kmの壁で悩んでいるランナーには、とてもヒントになる一冊だと思います。
まだ、本書の効果の結果はお話しできませんが、サブ4を目標に良い結果がお話しできればと思います。

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院長 金沢 正幸
医学博士
日本整形外科学会専門医
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日本体育協会公認スポーツドクター
※婦人科は女性専門医が診察にあたります。
先々週の9月12日の「マラソンの日」にちなんでマラソンとトレーニング、リカバリーについてお話ししました。
先週、わたくし個人も今年もマラソンチャレンジについての記事を書きました。
今や健康志向の高まりとともに、市民ランナーの数も年々増加し、フルマラソンやハーフマラソン、あるいは10kmや駅伝など、幅広い層がランニングを楽しんでいます。
しかしマラソンというスポーツは、体への負担が非常に大きいことでも知られています。42.195kmという長距離を走り切るためには、心肺機能や筋力だけでなく、「いかに効率よく回復するか」 という視点が極めて重要です。
今回のブログでは、マラソン後のリカバリー方法として注目を集めている 酸素ボックス(高気圧酸素療法:HBOT/軽度高気圧酸素療法:mHBOT) について、科学的な研究データをもとに解説していきます。一般の方にも理解しやすい形で、「なぜ効果があるのか」「どのように取り入れるのが現実的か」を掘り下げてみましょう。
まずは酸素ボックスの基本から。
私たちが普段呼吸で取り込む酸素は、そのほとんどが血液中の ヘモグロビン に結合して体中へ運ばれます。これを 「ヘモグロビン結合型酸素」 といいます。
一方、血液には酸素が「そのまま溶け込んでいる状態」でも存在しており、これを 「溶解型酸素」 と呼びます。
通常の大気圧下では、溶解型酸素はごくわずかしか存在しません。しかし、酸素ボックスの中では大気圧より高い圧力(例:1.2〜2.5気圧)と高い酸素濃度を利用するため、血液中により多くの酸素が溶け込むことができます。
つまり酸素ボックスのメリットは、酸素を「赤血球だけでなく血漿にも運ばせる」ことで、普段は酸素が届きにくい微小血管や疲労部位に酸素を供給できる という点にあります。
この溶解型酸素の増加が、疲労回復やケガの治癒を助けるメカニズムのひとつと考えられています。
疲労の一因としてよく挙げられるのが「乳酸」です。運動強度が高まると筋肉内でエネルギー代謝が切り替わり、乳酸が産生されます。乳酸そのものが悪者というわけではありませんが、濃度が高くなると筋肉の働きを制限し、「重だるさ」や「動かない感覚」として現れます。
Sueblinvongら(2004) の研究では、激しい運動後に酸素ボックス(2.5 ATA, 100%酸素)を30分利用したグループは、通常の休息や酸素吸入のみのグループに比べて 血中乳酸の除去速度が有意に速い ことが示されました。
つまり、酸素ボックスを利用すると「疲労物質が早く体から抜ける」可能性があります。ただし、この研究の酸素ボックスは、当院の酸素ボックスより気圧が非常に高く、酸素濃度も高くなっています。比較的大掛かりな装置で、治療効果も期待できる反面、酸素中毒や、耳抜きが難しい方には不向きです。感染治療や、難治性の骨折などで比較的大きな病院においてある場合があります。
Parkら(2018) は、軽度高気圧酸素(約1.3気圧)を運動前後に利用した試験を行い、運動後30分時点での乳酸濃度低下や疲労感の軽減を報告しました。
また、Gušićら(2024) は、サッカー選手を対象に試合後の酸素ボックス使用を検討した結果、血液マーカーやジャンプ・スプリント能力に大きな差はなかったものの、「体調の自己評価(Hooper Index)」が改善 することを示しました。
つまり、客観的な数値だけでなく、「体が楽になった」「翌日が軽い」といった感覚的な回復を実感しやすい のも酸素ボックスの特徴です。当院での酸素ボックスは、この軽度高気圧酸素に該当します。比較的手軽に利用でき、酸素中毒などのリスクもなく安全に行えるというメリットがあります。
マラソンやランニングで多いのは、筋肉痛や腱・靭帯の炎症、疲労骨折など。こうしたケガの回復に酸素ボックスはどのように役立つのでしょうか?
酸素供給が増えると、組織の修復に必要なエネルギー(ATP)産生が高まります。
高気圧酸素療法は 炎症や腫れを抑え、血流を改善する作用 があり、軟部組織の回復を早める可能性が報告されています。
疲労骨折に関してはまだ限定的な研究ですが、骨の治癒促進効果を示すデータも出てきています。
つまり、酸素ボックスは「疲労の抜けを速くするだけでなく、組織の修復をサポートする」可能性があるのです。
世界のトップアスリートの中には、日常的に酸素ボックスを利用している人が少なくありません。オリンピック選手やプロサッカー選手が遠征時や大会前後に使用している事例も数多く報告されています。
特に重要なのは、彼らが「試合や練習の翌日も最高のコンディションを保つ」ために使っている という点です。
一般ランナーにとっても、「翌日の疲労を残さないこと」は練習の継続性やケガ予防につながるため、プロと同じ発想で取り入れる価値があります。
研究や実際の使用例から、酸素ボックスの活用方法をまとめると以下のようになります。
頻度:週1〜2回(定期的に使う方が効果的)
時間:30〜60分
タイミング:長距離走やインターバルなど高強度練習の直後、または大会後
目的別のイメージ
疲労回復:運動直後に使う
ケガの回復:炎症がある時期に継続的に使う
コンディショニング:大会や記録会前後に使用
具体的には、試合の翌日や、合宿などのハードな練習後にリカバリーとして使用するのはおすすめです。
又、パフォーマンス向上を期待して、溶解型酸素の恩恵を期待するのであれば、大切な試合前などに体の中に溶解型酸素をため込んでおくのも良いのではないでしょうか?
もちろん酸素ボックスにも注意すべき点があります。
単回利用の効果は一時的:継続的な利用が推奨されます。
誰にでも万能ではない:持病や耳鼻のトラブルがある場合には使用できないケースがあります。
高すぎる圧力はリスク:安全性の確保された施設で利用することが重要です。
つまり、酸素ボックスは「魔法の治療」ではなく、あくまで 科学的根拠のある補助的リカバリー手段 として正しく使うことがポイントです。
マラソンや長距離ランニングは、体に大きな負担を与えるスポーツです。だからこそ「走ること」と同じくらい「回復すること」が重要です。
酸素ボックスは、
血中の溶解型酸素を増やし、微細な組織まで酸素を届ける
疲労物質の除去や主観的疲労感の軽減に役立つ
炎症やケガの回復を助ける可能性がある
プロアスリートも利用している
といった特徴を持ちます。
週1〜2回の継続利用をうまく取り入れることで、練習の質を落とさず、ケガを防ぎ、より長くランニングを楽しめる体をつくることができるでしょう。
次のマラソンに向けて、ぜひ「走る練習」だけでなく「回復の練習」にも目を向けてみてください。

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院長 金沢 正幸
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日本整形外科学会専門医
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