成長期の体は大人と何が違うのか― 「若いから治る」が通用しない理由 ―

こんにちは。
かなざわ整形外科・婦人科リハビリ室です。

保護者の方から、よくこんな言葉を聞きます。

「若いから、少し休めば治ると思っていました」
「体力はあるので、大丈夫かなと…」

確かに、成長期のお子さんは回復力が高く、多少の疲労や痛みでも動けてしまうことが多いです。
しかし実はここに、成長期特有の落とし穴があります。


よくある具体例

「休めば治ると思っていたのに、長引いてしまった」

例えば、こんなケースです。

練習後に膝やかかとが痛いと言う

  • 数日休むと楽になる
  • 再開すると、また同じ場所が痛む

保護者としては、「成長痛かな」「疲れがたまっているだけかも」と考え、様子を見続けます。

ところが数か月後、

・痛みが取れなくなった

  • ・別の部位まで痛くなった
  • ・思うように動けなくなった

という状態で受診されることも少なくありません。


成長期の体で起きていること

成長期の体では、

・骨の成長が筋肉より先に進む

  • ・筋肉や腱の柔軟性が追いつきにくくなる
  • ・動きのコントロールがまだ未熟

といった特徴があります。

そのため、同じ練習量・同じ動作でも、大人より負担が集中しやすいのです。

「体力がある」「走れている」という事実と、体が無理をしていないかどうかは、別問題になります。


なぜ成長期はケガが長引きやすいのか

成長期のケガが長引きやすい理由の一つは、痛みを我慢できてしまうことです。

  • ・動けてしまう
  • ・周囲からも「大丈夫そう」に見える
  • ・本人も「これくらいなら」と思ってしまう

結果として、

  • ・負担がかかり続ける
  • ・動きの癖が固定される
  • ・回復までに時間がかかる

という悪循環に入りやすくなります。

リハビリで大切にしている視点

リハビリでは、「どこが痛いか」だけでなく、

  • どんな動きで負担がかかっているか?左右差が出ていないか?疲れてくるとフォームがどう変わるか?

といった点を確認します。

成長期では特に、痛みが出ていない部分に原因があることも多く、
全身の動きを見ることが重要になります。

受診・リハビリは「止めるため」ではありません

本人・保護者の方が心配されるのが、「病院に行ったら、休ませることになるのでは…」という点です。

しかし実際には、

・続けられる練習

  • ・一時的に控えた方がよい動き
  • ・今の成長段階に合ったリハビリ
  • ・柔軟性の獲得

結果として、「完全に休ませずに済んだ」「悪化する前に対応できた」

ということも少なくありません。


「今」を守ることが、「先」を守ることにつながる

成長期は、体が大きく変わる大切な時期です。

この時期に無理を重ねてしまうと、

  • ・ケガを繰り返す
  • ・スポーツへの不安が強くなる

といった影響が残ることもあります。

一方で、早めに体の状態を確認し、必要なリハビリを行うことで、

  • ・安心して続けられる
  • ・将来のケガ予防につながる

というメリットもあります。


まとめ:「若いから大丈夫」は判断材料にならない

成長期の体は、「若いから治る」だけで判断できるほど単純ではありません。

  • 動けているけれど、負担がかかっていないか?
  • 同じ痛みを繰り返していないか?

この視点を持つことが大切です。

迷った時は、一度受診・リハビリを行い体の状態を整理するだけでも、
その後の判断がずっと楽になります。

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文責:かなざわ整形外科・婦人科 リハビリ室
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2026年04月29日