「事故直後は物損事故として処理したが、後から痛みが出てきた」というケースは少なくありません。むち打ちなどは事故直後より数日後に症状が現れることが多いためです。そのような場合に必要になるのが、「物損事故」から「人身事故」への切り替えという手続きです。
この記事では、切り替えが必要な理由と、具体的な手順・期限の目安について整理します。なお、手続きの詳細は管轄の警察署によって運用が異なる場合がありますので、実際の手続きは所轄の警察署にご確認ください。
交通事故は、ケガ人の有無によって警察の扱いが分かれます。ケガがない(または診断書が出ていない)場合は「物損事故」、ケガについて医師の診断書が提出された場合は「人身事故」として処理されます。
物損事故のままだと、実況見分調書が簡易なものにとどまり、後々慰謝料や休業損害など、ケガに対する補償を請求する際の証拠が不足してしまうことがあります。「まずは物損で」と処理したものの、通院を続けている場合は、人身事故への切り替えを検討する必要があります。
むち打ちの症状は、事故の興奮状態が落ち着いた後、数日経ってから現れることが珍しくありません。この場合、症状に気づいた時点で医療機関を受診し、切り替えの手続きを進める必要があります。
痛みを感じていても、忙しさなどから受診が後回しになり、物損事故のまま時間が経ってしまうケースもあります。
まずは整形外科を受診し、医師の診察を受けます。ケガの状態が確認されると診断書が作成され、これが切り替え手続きに必須の書類となります。
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切り替えを行う旨を、双方の任意保険会社にも伝えておくことが重要です。連絡がないまま進めると、その後の示談交渉で行き違いが生じることがあります。
診断書を管轄の警察署に提出し、人身事故への切り替えを申請します。その後、実況見分(事故現場の状況確認)が行われるのが一般的な流��す。
事故から10日以内が一つの目安とされています。ただし、これは法律で明確に定められた期限ではなく、実務上の目安です。管轄の警察署によって対応が異なるため、余裕をもって早めに動くことが大切です。
時間が経過するほど、事故現場の状況や車両の損傷といった痕跡が失われ、ケガと事故との因果関係を証明することが難しくなります。数週間〜1か月以上が経過すると、切り替え自体が難しくなる場合もあると言われています。「症状に気づいたら、できるだけ早く受診・相談する」ことが、後の手続きをスムーズにする一番のポイントです。
物損事故のままでも治療費の請求自体ができないわけではありませんが、実況見分調書が簡易なものにとどまるため、事故とケガの因果関係を証明する客観的な資料が乏しくなりがちです。結果として、慰謝料や休業損害の請求時に、保険会社との交渉が難航する可能性があります。人身事故への切り替えは、正当な補償を受け取るための土台を整える手続きと考えていただくとよいでしょう。
事故直後に痛みがなくても、数日後に症状が出てきた場合は、早めに整形外科を受診し、人身事故への切り替えを検討することをおすすめします。目安は事故から10日以内、遅くも症状に気づいてからできるだけ早く行動することが重要です。
治療全体の流れは交通事故治療の完全ガイド、慰謝料の考え方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
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物損事故のままでも自賠責保険による治療費の請求は可能な場合がありますが、慰謝料や休業損害などケガに対する補償を確実に受け取るためには、人身事故への切り替えをおすすめします。
10日はあくまで一般的な目安であり、絶対的な期限ではありません。ただし時間が経つほど手続きが難しくなる傾向があるため、気づいた時点でできるだけ早く、警察署や保険会社にご相談ください。
診断書の取得は医療機関で、警察署への提出・申請はご本人が行う必要があります。保険会社への連絡も含め、分からない点があれば加入している保険会社の担当者にも相談されることをおすすめします。