👣 はじめに
先週よりロコモについてお話してきました。そもそもロコモとは(前回記事)
→「ロコモ」って知っていますか? 〜ロコモコ丼じゃありません!〜
ロコモティブシンドローム(ロコモ)の予防・改善において、運動と並んで欠かせないのが「栄養」です。
どれだけ適切な運動を行っても、材料となる栄養素が足りなければ筋肉も骨も回復・強化できません。
今回は、臨床現場でも重視される「筋肉と骨を支える栄養学」について詳しく見ていきましょう。
🥩 1. 筋肉を作る「タンパク質」の重要性
筋肉は、食事から摂取したタンパク質を材料に合成されています。
加齢とともに筋合成の効率は低下し、同じ量を食べても若い頃のように筋肉が維持できないことが知られています。
💡 推奨摂取量
🍗 主なタンパク質源
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食材 |
タンパク質量(約) |
特徴 |
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鶏むね肉100g |
22g |
低脂質・高タンパク |
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魚(鮭・サバ)100g |
20g |
EPA・DHAも豊富 |
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卵1個 |
6g |
アミノ酸スコア100 |
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納豆1パック |
8g |
植物性タンパク+イソフラボン |
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牛乳200ml |
6g |
吸収の良い乳タンパク |
🧃 2. プロテイン補助食品の活用と注意点
💬 「プロテインは必要?」
食事で必要量を摂るのが理想ですが、高齢者や食欲低下のある方では補助的にプロテインを活用するのも有効です。
🧈 タイプ別の特徴
⚠️ 腎機能への注意点
タンパク質摂取量が過剰になると、腎臓への負担が増すことが指摘されています。
特に以下の方は注意が必要です。
👉 プロテインを始める前に、血液検査で腎機能(eGFR・クレアチニン)を確認し、医師に相談するのが安全です。
また、水分摂取(1.5〜2L/日程度)を意識して、腎への負担を減らしましょう。
🦴 3. 骨を守る「カルシウム」と「ビタミンD」
🦷 カルシウム
骨の主成分であり、不足すると骨密度低下や骨折リスク上昇を招きます。
☀️ ビタミンD
カルシウムの吸収を助け、筋力にも関与します。
👉 ビタミンDが不足すると、筋力低下・転倒リスク増加が報告されています。
日本人高齢者では、約7割が不足状態というデータもあります。
🥦 4. 骨代謝を支えるビタミンK・マグネシウム・亜鉛
これらの栄養素は単体ではなく、バランス良く摂取することで相乗効果を発揮します。
🧍♂️ 5. サルコペニアと低栄養の関係
サルコペニア(加齢性筋肉減少症)は、運動不足+低栄養が原因の二大要素です。
タンパク質・エネルギーが不足すると、身体は筋肉を分解してエネルギーに変えるため、
筋力低下 → 活動量低下 → 食欲減退 → さらなる低栄養という悪循環に陥ります。
👉 栄養介入(特にタンパク質+ビタミンD補給)は、サルコペニア進行を防ぐ最も確実な手段の一つです。
🔄 6. 「運動 × 栄養」の相乗効果
運動による筋刺激があって初めて、摂取したアミノ酸が筋肉に取り込まれます。
つまり――
「食べるだけではダメ、動くことが筋肉を活かす」
が鉄則です。
🏋️♀️ 理想的なタイミング
また、リハビリや理学療法で筋活動を継続的に刺激することで、
栄養摂取の効果を最大限に引き出すことができます。
✅ まとめ
💬メッセージ
ロコモは「足腰の病気」ではなく、「生活全体のバランスの病気」です。
食べること、動くこと、その両方を整えていくことが、何歳からでも可能な予防法です。
クリニックでは運動指導・リハビリに加え、栄養面からのアドバイスも行っています。
気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。