受験生にとって、試験本番の体調管理は勉強と同じくらい大切です。特にインフルエンザは、高熱で数日動けなくなるうえ、学校保健安全法で「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで」出席停止とされるほどの感染症です。
しかも今季(2026-27年)は、8月下旬に全国で流行入りという異例の早さ。「冬になってから考えよう」では間に合わないかもしれません。この記事では、受験日から逆算したワクチンの接種時期、回数、家族でできる対策までをまとめました。
インフルエンザワクチンは、打ってすぐ効くわけではありません。効果が出始めるまで約2週間、効果が続くのは約5か月とされています。
つまり、10月下旬〜11月中に接種すれば、1月〜3月の受験シーズンをまるごとカバーできる計算です。
| 試験 | 時期(目安) | 接種の目安 |
|---|---|---|
| 大学入学共通テスト | 2027年1月16日(土)・17日(日) | 11月中(遅くとも12月中旬) |
| 私立大学・国公立大学の個別試験 | 1月下旬〜3月 | 11月中 |
| 私立高校入試(福岡県) | 例年1月下旬〜2月上旬 | 11月中 |
| 公立高校入試(福岡県) | 例年3月上旬〜中旬 | 11月中 |
| 中学入試(福岡県内の私立・国立など) | 例年1月 | 1回目10月中、2回目11月中 |
※高校・中学入試の日程は学校や年度によって異なります。必ず各学校の募集要項でご確認ください。
「効果が5か月しか続かないなら、12月に打ったほうが2〜3月まで持つのでは?」という質問をよくいただきます。ただ今季は流行がすでに始まっており、受験直前期の12月〜1月に感染するリスクのほうが問題です。11月中に打っておけば、多くの試験は5か月以内に収まります。遅らせるメリットは小さいと考えてください。
13歳以上は、国の基準で原則1回です。厚生労働省のQ&Aでは、健康な成人は1回の接種で2回接種と同じくらいの抗体が得られるとされています。高校受験・大学受験の生徒さんは、基本的に1回で十分です。
「大事な受験だから念のため2回」と考える方もいますが、2回にしても効果が大きく上がるという明確な根拠は今のところ乏しいのが実情です。それよりも、家族全員が1回ずつ打つほうが、受験生を守る効果は大きいと考えます。
13歳未満のお子さんは2回接種(2〜4週間あけて)が必要です。1月に試験がある場合は、10月中に1回目、11月中に2回目を終えておくと安心です。
回数について詳しくは「インフルエンザワクチンは2回打つべき?」で解説しています。
ワクチンの発病予防効果は100%ではありません。受験生を守るには、「ウイルスを家に持ち込まない」「持ち込んでも広げない」対策を組み合わせることが大切です。
受験生の感染経路で多いのが、家族からの感染です。仕事に行く親や、学校・保育園に通うきょうだいがウイルスを持ち帰ることがあります。
例えるなら、家族は「家の城壁」です。受験生本人だけが鎧(ワクチン)を着ていても、城壁に穴があれば敵は入ってきます。家族全員が接種して城壁を固めることが、いちばん効果的な守り方です。
当院では、受験生とその同居のご家族は1人3,200円で接種いただけます(一般の方は3,500円)。受付で「受験生の家族です」とお伝えください。
インフルエンザは、咳やくしゃみのしぶき(飛沫)と、ウイルスのついた手で目・鼻・口を触ること(接触)でうつります。帰宅時・食事前の手洗いを習慣にしましょう。勉強中に無意識に顔や口元を触るクセがある方は要注意です。
ウイルスは乾燥した環境で長く漂いやすくなります。勉強部屋は湿度50〜60%を目安に加湿し、1時間に1回程度は換気を。
睡眠不足は免疫の働きを弱めます。追い込みの時期ほど、睡眠時間をけずりたくなりますが、本番で力を出すためにも睡眠は「体調管理の勉強時間」と考えましょう。
塾や予備校、通学の電車など、人が多い場所ではマスクが有効です。試験会場でも、周りに咳をしている人がいることがあります。
急な高熱、関節痛、全身のだるさなどが出たら、早めに医療機関を受診してください。抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に使い始めると、熱が下がるまでの期間を短くする効果が期待できます。
ただし、発症直後は検査で陽性にならないこともあります。症状や周囲の流行状況から総合的に判断しますので、「まだ検査しても出ないかも」と様子を見すぎないようにしましょう。
大学入学共通テストには、病気などで本試験を受けられなかった人のための追試験の制度があります。私立高校や大学の個別試験でも、独自の救済措置を設けているところがあります。申請には診断書が必要になることが多いので、志望校の制度を事前に確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
同居する家族がインフルエンザを発症した場合、抗インフルエンザ薬を予防のために使う「予防投与」という方法があります。健康保険は使えず自費診療になり、対象となる条件や薬の選び方は医師が判断します。予防投与をしても、発症を完全に防げるわけではありません。
予防投与を希望される場合は、家族が発症したらできるだけ早く医療機関にご相談ください。
ワクチンの副反応として、注射した腕の腫れや痛み(10〜20%)、発熱やだるさ(5〜10%)が出ることがあります。多くは2〜3日でおさまりますが、模試や試験の直前は避け、翌日以降に大事な予定がない日を選ぶと安心です。
利き腕が痛むと筆記に影響することもあるので、利き腕と反対の腕に打つのがおすすめです。
当院ではスポーツをしている中高生も多く診ています。部活のケガで通院中の受験生も、受付で接種のご予約をお取りいただけます。ご家族そろっての接種もお気軽にご相談ください。
これまで積み上げてきた努力を、本番でしっかり発揮できるように。ご家族みんなで、早めの準備を始めましょう。
参考資料
※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。制度や料金は変更される場合があります。