「ヘルストロンを受けているけれど、あまり効果を感じない」
「何回か受けたけれど、本当に効いているのかわからない」
このように感じる方もいらっしゃると思います。
ヘルストロンは医療機器として承認された電位治療器ですが、すべての症状に効果が認められているわけではなく、また、すべての方が同じように変化を実感するわけでもありません。
当院ではヘルストロンを「何にでも効く治療」とは考えていません。大切なのは、どのような症状に対して使用するのか、そして症状の原因をきちんと診断したうえで治療を選択することです。整形外科専門医の立場から、「ヘルストロンが効かない」と感じる理由について解説します。
当院で使用しているヘルストロンHES-A30は、高電圧によって形成された電界の中に身体を置いて治療を行う「電位治療器」です。医療機器として認められている使用目的・効果は、以下の4つです。
ここで重要なのは、ヘルストロンが「あらゆる痛みや病気を治療する機器」ではないということです。たとえば、腰椎椎間板ヘルニアによる神経痛、変形性膝関節症、骨折、腱板断裂など、明確な器質的疾患がある場合、それ自体をヘルストロンで治すことを目的とした治療ではありません。「痛みがあるからヘルストロンを受ければ治る」というものではなく、まず症状の原因を見極めることが重要です。
最も重要なのがこの点です。たとえば「肩が痛い」という症状一つをとっても、
など、原因はさまざまです。ヘルストロンには「肩こりの緩解」が認められていますが、「肩が痛い病気すべて」に効果が認められているわけではありません。症状の原因によっては、薬物療法、注射、運動器リハビリテーションなど別の治療が必要になります。
医療機器として効果が認められていることと、「使用したすべての人が同じように効果を実感すること」は同じではありません。電位治療器に限らず、薬やリハビリテーションなどの治療でも効果には個人差があります。「1回受けたら必ず肩が軽くなる」といった即効性を保証する治療ではありません。一方で、使用を続ける中で症状の変化を感じる方もいます。そのため当院では、単に「効いた・効かなかった」だけで判断するのではなく、症状の経過をみながら他の治療も含めて考えることが重要だと考えています。
肩こり、不眠、便秘などは、一つの原因だけで起こるとは限りません。運動不足、長時間のデスクワーク、睡眠習慣、ストレス、食生活など、さまざまな要因が重なって症状が続いていることがあります。そのため、ヘルストロンだけですべてを解決しようとするのではなく、運動や生活習慣の改善などを組み合わせることも大切です。
「ヘルストロンが効かない」と感じた場合、私たちが最も避けたいのは、「効くまで続ければいい」と考えて、別の病気を見逃してしまうことです。肩こりだと思っていた症状が頚椎疾患によるものだったり、肩の痛みの原因が腱板断裂だったりすることもあります。特に、
といった場合には、一度原因を確認することが重要です。必要に応じてレントゲンや超音波検査などを行い、診断したうえで治療方針を考えます。
当院では、ヘルストロンHES-A30を物理療法の選択肢の一つとして使用しています。しかし、整形外科診療で重要なのは「どの機械を使うか」だけではありません。診察・画像検査などによって原因を評価し、必要に応じて、
などを組み合わせて治療を行います。ヘルストロンが適している方もいれば、別の治療を優先した方がよい方もいます。患者さんの症状に合わせて治療を選択することが、最も大切だと考えています。
ヘルストロンは、頭痛・肩こり・不眠症・慢性便秘を対象として使用される電位治療器です。一方で、すべての痛みや疾患を治療する機器ではなく、効果の感じ方にも個人差があります。
「何回受ければ効くのか」だけを考えるのではなく、そもそも現在の症状にヘルストロンが適しているのかを考えることが大切です。症状が続いている場合や、治療を続けても変化を感じない場合には、別の原因がないかを確認することも必要です。
当院では、整形外科専門医による診察のうえ、必要に応じて検査やリハビリテーションなどを組み合わせながら治療方法をご提案しています。気になる症状がある方は、診察時にお気軽にご相談ください。
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