10年ぶりに改訂!骨粗鬆症ガイドライン2025年版 ~やさしく知って、検査から始める骨の健康づくり~

10年ぶりに骨粗鬆症ガイドラインが改定されました。

 

せっかくなどで骨粗鬆症についてまとめてみました。

 

 

骨粗鬆症ってどんな病気?

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の中がスカスカになって弱くなり、ちょっとした転倒でも骨折してしまう病気です。

ただし、進行していても痛みなどの症状が出にくいため、**「沈黙の病気」**とも呼ばれています。

一度骨折をしてしまうと、その後の生活に大きな影響が出てしまいます。特に太ももの付け根(大腿骨)や背骨(腰椎)の骨折は、寝たきりや介護が必要になる大きな原因になってしまうこともあります。


2025年版ガイドラインが発表されました

今年7月、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版」が10年ぶりに改訂されました。

今回の改訂では、最新の研究やお薬の進歩が取り入れられ、より分かりやすく、患者さんに合った治療や予防がしやすくなる内容にアップデートされています。


改訂のポイントをやさしくまとめると…

  • 新しいお薬が追加されました

    → 骨を強くする注射薬や、骨の形成を助ける新しい薬が使えるようになり、治療の選択肢が広がりました。

  • 骨折リスクの考え方が進歩

    → 単に「骨密度が低いかどうか」だけでなく、骨折の経験やレントゲンの所見もふまえて、より丁寧に判断できるようになりました。

  • 早めの治療が大切に

    → 一度骨折をすると、その後の骨折リスクはぐんと上がります。特にリスクの高い方には、効果の高い治療を早めに始めることが強く勧められています。


骨密度検査は「大腿骨」と「腰椎」を測るのがおすすめ

骨粗鬆症かどうかを調べるために行うのが「骨密度検査」です。

いろいろな測定部位がありますが、ガイドラインでは 大腿骨(太ももの付け根)と腰椎(腰の骨)を測ることが推奨されています。

これらの部位は骨折したときの影響がとても大きく、正確にリスクを評価できるため、特に大切です。検査自体は横になって数分間で終わる簡単なものですので、安心して受けていただけます。


こんな方は検査をおすすめします

  • 50歳以上の女性(特に閉経後の方)

  • ご両親やご家族に骨折歴がある方

  • 背が縮んできた、姿勢が丸くなってきたと感じる方

  • ちょっとした転倒で骨折したことがある方

  • ステロイド薬を長く使っている方

早めに検査しておくことで、将来の骨折リスクを大きく減らすことができます。


骨を守る!生活のワンポイントアドバイス

骨粗鬆症の予防や治療には、日々の生活もとても大切です。

今日からできる工夫をいくつかご紹介します。

🍎 食事のポイント

  • カルシウムをしっかりとりましょう

    牛乳、ヨーグルト、小魚、大豆製品などがおすすめです。

  • ビタミンDを意識しましょう

    鮭やイワシなどの魚類、きのこ類に多く含まれています。日光を浴びることでも作られます。

  • バランスのよい食事を

    骨の健康は、たんぱく質・ビタミンK・マグネシウムなど、いろいろな栄養素が支えています。

🏃‍♀️ 運動のポイント

  • ウォーキングや軽いジョギング

    骨は“刺激”を受けることで強くなります。無理のない範囲で毎日少しずつ。

  • 筋力トレーニング

    太ももやお尻の筋肉を鍛えると、転倒防止にもつながります。椅子からの立ち座り運動なども効果的です。

  • ストレッチやバランス運動

    ヨガやラジオ体操のような簡単な運動で、転びにくい体づくりを目指しましょう。


当院でできること

当院では、ガイドラインに沿った大腿骨と腰椎の骨密度検査を行っています。結果に応じて、生活習慣のアドバイスや最新のお薬を使った治療もご提案できます。

「検査してみたら安心できた」「早めに治療を始められてよかった」という患者さんも多くいらっしゃいます。


まとめ

骨粗鬆症は放っておくと骨折につながり、生活の質を大きく下げてしまう病気です。

でも、検査と予防で十分に対策できる病気でもあります。

10年ぶりに改訂された新しいガイドラインをきっかけに、ぜひ一度ご自身の骨の健康をチェックしてみませんか?

「骨折する前に」動き出すことが、これからの健康寿命を守る第一歩です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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かなざわ整形外科・婦人科

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院長 金沢 正幸

医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター

 

※婦人科は女性専門医が診察にあたります。

2025年09月01日