院長のひとりごと
整形外科と婦人科 ― 意外な組み合わせが生み出す新しい診療のかたち

整形外科と婦人科 ― 意外な組み合わせが生み出す新しい診療のかたち

こんにちは。

当院は「整形外科」と「婦人科」という、一見すると珍しい診療科の組み合わせを持つクリニックです。実はこれは偶然の産物で、私が整形外科、妻が婦人科を専門としていたというだけなのです。しかし開業してから日々の診療を通じ、両科が隣り合っているからこそできるサポートがあると日々強く感じるようになりました。

今回はその“意外な相性の良さ”について、実際の患者さんのケースを交えてご紹介したいと思います。


病院勤務時代には気づけなかった関係性

勤務医だった頃、整形外科と婦人科が直接やりとりをする機会は多くありませんでした。

MRIで偶然、子宮筋腫を発見したり、婦人科から腫瘍の骨転移の相談を受けたりする程度で、両者は「ほとんど接点がない診療科」という印象が正直なところでした。

ところが、クリニックという地域医療の場で診療を続けていると、整形外科と婦人科は実は非常に近い領域で患者さんを支えていることに気づいたのです。


更年期世代に多い“重なり合う症状”

婦人科、更年期外来に来られる方の多くは、肩こり・腰痛・手指の関節痛などの整形外科的な症状を併せ持っています。

一方、整形外科を肩や膝の痛みで受診された方が、実は更年期障害による不調(のぼせ・不眠・気分の落ち込みなど)を抱えていることも珍しくありません。

🩺 ケース① 50代女性

「最近、腰と膝が痛くて…」と整形外科を受診。詳しく伺うと、同時にホットフラッシュや気分の落ち込みもありました。婦人科でのホルモン補充療法を組み合わせることで、関節痛も更年期症状も一緒に改善に向かいました。

こうした“体全体の変化”を一か所で診られるのは、患者さんにとって大きな安心につながっています。


当院だからできること①

婦人科診察と一緒にリハビリ・物理療法が可能

一般的な婦人科クリニックでは、肩こりや腰痛に対して電気治療やリハビリを受けることはできません。しかし当院では整形外科が併設されているため、更年期で婦人科にかかった方も、腰痛に対する電気治療や運動器のリハビリを受けられます。

🩺 ケース② 40代女性

「婦人科で更年期といわれたけど、腰も重くて…」と受診。婦人科診察の後、整形外科リハビリ室で電気治療を受け、姿勢改善のリハビリも開始。徐々に症状が和らぎ、「婦人科で診てもらいながら体のケアもできるのがありがたい」と笑顔で話してくださいました。


当院だからできること②

骨粗鬆症をトータルで診る

骨粗鬆症は婦人科と整形外科の両方に関わる代表的な病気です。特に閉経後の女性では発症リスクが高く、婦人科的なホルモンの影響と、整形外科的な骨の評価や骨折予防の治療が密接に関係します。

🩺 ケース③ 70代女性

婦人科の検診で骨密度低下を指摘。整形外科で詳しく検査し、骨粗鬆症の薬物治療を開始。同時に運動療法や栄養指導を行い、骨折予防を一緒に取り組んでいます。


当院だからできること③

家族で通える安心感

整形外科と婦人科がそろっていることで、ご家族全員で受診いただけるケースも増えています。

  • 子どもがスポーツでけが → 整形外科へ

  • お母さんは更年期症状や婦人科検診 → 婦人科へ

  • おばあちゃんは骨粗鬆症の検査 → 整形外科と婦人科で連携

  •  

🩺 ケース④ 中学生の息子さんとお母さん

サッカーで足首を痛めた息子さんを連れて整形外科へ。診察のついでにお母さんも「最近生理不順が気になっていて…」と婦人科を受診。その日のうちに親子そろって解決の糸口を見つけることができました。

このように一つのクリニックで家族それぞれの健康を支えられるのも、当院ならではの強みです。

私たちも、定期的に婦人科受診されたときに、息子さん元気にサッカーやっていますか?など近況を聞くのが楽しみです!


当院だからできること④

スポーツをする女性を支える

最近はスポーツに取り組む女性も多く、整形外科にはケガやオーバーユース(使いすぎによる障害)で来院される方が多いです。

その一方で、競技や試合の日程に合わせて「月経周期を調整したい」といった相談もあります。これらは整形外科単独では対応できませんが、当院では婦人科と連携してトータルにサポートが可能です。

🩺 ケース⑤ 学生アスリート

大会を控える学生さん。膝の痛みで整形外科を受診した際に「試合の日と生理が重なりそう」と相談がありました。ちょっとその辺は、整形外科での対応は難しい…。婦人科と連携して月経移動の指導を行い、安心して試合に臨むことができました。


おわりに

整形外科と婦人科。

一見かけ離れて見える診療科ですが、実際に地域で診療していると、患者さんの体と心を支えるうえでとても密接に関わっていることを肌で感じております。

  • 更年期世代の不調と関節の痛み

  • 骨粗鬆症の予防と治療

  • 家族みんなで受診できる安心感

  • 女性アスリートへのトータルサポート

こうした強みを生かして、私たちは「整形外科 × 婦人科」という独自の組み合わせで、患者さんの人生を支える診療を続けてまいります。

どうぞお気軽にご相談ください。

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科

■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分

院長 金沢 正幸

医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター

※婦人科は女性専門医が診察にあたります。

 

 

2025年10月07日
下関海響マラソン2025まであと1か月! ― 46歳からのサブ4チャレンジ

こんにちは。

今年もフルマラソンの季節が近づいてきました。今年は残念ながら福岡マラソンの抽選に落選したため、私は 11月2日(日)開催の下関海響マラソン2025 に出場します。

昨年は「福岡マラソン」で初フルマラソンに挑戦し、タイムは 5時間5分53秒(ネットタイム)。

完走できた喜びは大きかったものの、30km以降で失速し「もっと走れるはずだ」という悔しさが残りました。

そして今年。2回目の挑戦となる今回は、目標を明確に定めています。

サブ4(4時間切り)!

 


 

 

残り1か月の過ごし方

 

十分な準備ができたと言われたならば、仕事の後にトレーニングをするのはなかなかきついものでした。

フルマラソン1か月前は「追い込み」と「調整」のバランスが大切な時期です。

走り込みで自信をつけつつ、疲労をため込みすぎないよう意識しています。

  • ロング走やペース走で持久力を確認
  • 徐々に距離を落とし、疲労を抜く準備
  • 睡眠と食事でコンディションを最優先

昨年の反省から、「練習量よりも体調管理」を重視しています。

 


 

 

 

 

私のリカバリー習慣

 

現在46歳。年齢を重ねると「いかに回復するか」が結果を左右すると感じます。

そこで、練習と同じくらい力を入れているのがリカバリーです。

  • サウナ:温冷交代浴で血流促進、心身ともにリフレッシュ
  • 酸素ボックス:高気圧環境で酸素を取り込み、筋肉修復や睡眠の質向上に
  •     今年の8月より導入してますが、博央の回復が段違いです!!
  • ヘルストロン(電位治療器):血流や自律神経を整え、肩こりや全身の疲労感の軽減に
  •    酸素ボックス後に、使う方が体感としてはいいです。
  • リポC(高濃度ビタミンC):栄養補給と免疫サポート。疲れを翌日に持ち越さないように
  •   寝る前に、オロヤク(オロナミンC+ヤクルト)に混ぜて飲むのがサイコーです。

「走る」「休む」「整える」のサイクルを意識することで、無理なく練習を積み重ねられています。

 

 


 

 

 

ケガ予防と整形外科でできること

 

マラソンは心身を大きく成長させてくれますが、膝・足首・腰などに負担がかかるスポーツでもあります。

ランナーに多いトラブルとしては、

  • 膝の痛み(ランナー膝)
  • 足底腱膜炎(かかとの痛み)
  • アキレス腱炎
  • 腰や股関節の不調

こうした症状は「まだ我慢できる」と放置すると悪化してしまうことが多いです。

整形外科では、

  • レントゲンやエコーによる診断
  • リハビリや物理療法による回復サポート
  • テーピングやインソールによるフォーム改善
  • 栄養や生活習慣のアドバイス

といった形で、ランナーの皆さんを支援できます。

違和感の段階で相談していただくことが、大きなケガを防ぎ、大会当日のパフォーマンスを守ることにつながります。

 

 


 

 

まとめ

 

下関の街並みと海を感じながら、笑顔でゴールする自分をイメージし、残り1か月を丁寧に過ごしていきます。

そして当日は サブ4達成 を目指して走り抜きます!

📣 ランナーの皆さん、一緒に頑張りましょう。

もし体の不安やケガでお困りのことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

 

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科

■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分

院長 金沢 正幸

医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター

※婦人科は女性専門医が診察にあたります。

 

 

2025年10月02日
インフルエンザ予防接種 2025年シーズンの展望とエビデンス

インフルエンザ予防接種 2025年シーズンの展望とエビデンス

明日より高齢者の方へのインフルエンザ予防接種も開始となります。昨日は、なるべくやさしくわかりやすいを心がけたインフルエンザのお話をしました。

今回は少し、難しい話もあるかもしれませんがデータなど入れたお話をしますね。

〜今年の流行状況とワクチンの効果について〜

はじめに

インフルエンザは毎年冬季に流行を繰り返す急性呼吸器感染症であり、日本国内でも数百万人規模の罹患者が発生しています。特に高齢者や基礎疾患を有する患者にとっては、重症化や死亡のリスクが高く、ワクチン接種による予防が重要です。

2025年シーズンは例年より早期にインフルエンザ患者の発生が確認されており、厚生労働省の定点報告でも8月下旬から増加傾向が見られています[1]。本稿では、インフルエンザの基本的な疫学、今年の流行状況、ワクチンの有効性と限界、副反応、さらに最新の研究データを踏まえ、医療従事者・一般市民双方に役立つ情報を整理します。


インフルエンザの基礎知識

ウイルスの種類と変異性

インフルエンザウイルスはA型、B型、C型に分類されます。

  • A型:最も流行規模が大きく、亜型(H1N1、H3N2など)によって大流行(パンデミック)を起こす。
  • B型:流行はA型より限定的だが、毎年一定数の患者が発生。Yamagata系統とVictoria系統の2系統がある。
  • C型:軽症例が多く、流行規模は小さい。

インフルエンザウイルスは抗原変異(ドリフト)を毎年起こすため、前年の免疫が十分に働かない場合が多く、毎シーズンの流行が繰り返されます。


流行の季節性と2025年の特徴

一般的な流行パターン

日本では例年12月頃から患者数が増加し、1月〜2月にピークを迎えます。しかし、ここ数年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、インフルエンザの流行時期や規模に変動が見られています。

2025年の流行傾向

  • 9月時点で既に患者数が増加

    2025年は例年より早い流行の兆候があり、秋の段階から学級閉鎖が報告されています。
  • 免疫ギャップの存在

    2020〜2022年はCOVID-19対策によりインフルエンザ流行が極めて小規模であったため、特に若年層において自然感染による免疫獲得が不十分となっています。これが流行の加速要因と考えられています。
  • 複数株の同時流行の可能性

    この夏の南半球(オーストラリアなど)では、インフルエンザA(H1N1)型が多く検出されました。このことから、日本でもこのA(H1N1)型が流行の中心となる可能性が指摘されています。

インフルエンザワクチンの有効性

ワクチン株の選定

ワクチン株は、世界で分離されたウイルス株とワクチン候補株の反応性や、ワクチン製造所における製造効率などを踏まえた総合的な見地から評価・選定されています。国内のインフルエンザHAワクチンについては、WHOの推奨事項及び製造販売業者での対応に要する期間等を踏まえ、2025-26 期以降は3 価のワクチンによる接種を前提として対応することとなっています。

2025-26 期のインフルエンザワクチンからは、3価ワクチンに変更となっています。
我が国における2025-26 期のインフルエンザワクチンは、以下の株からなる3 価ワクチンであり、2024-25 期から A/H3N2株の1 株が変更となり、B型株(山形系統)が除かれ
ました。
A 型株
A/ビクトリア/4897/2022(IVR-238)(H1N1)
A/パース/722/2024(IVR-262)(H3N2)
B 型株
B/オーストリア/1359417/2021(BVR−26)(ビクトリア系統)

  1.  
  2. 有効性に関するエビデンス
  • 発症予防効果:40〜60%程度と報告[2]。株の一致度によって変動がある。
  • 重症化予防効果:入院や死亡リスクを50%以上減少させるとの報告がある[3]。
  • 小児・高齢者での効果:小児では発症予防効果が比較的高い一方、高齢者では発症予防効果は低下するが、重症化予防効果は明確に認められている。

ワクチン接種の社会的意義

インフルエンザは学校・職場などで集団発生しやすいため、ワクチン接種は個人防御だけでなく集団免疫形成に寄与します。特に医療従事者や教育・保育現場で働く人の接種は、社会的な感染拡大防止に大きな役割を果たします。


接種対象とスケジュール

接種推奨対象者

厚生労働省では、以下の人々を重点的に接種対象としています。

  • 65歳以上の高齢者(定期接種対象)
  • 心疾患、呼吸器疾患、糖尿病などの基礎疾患を有する人
  • 妊婦
  • 小児(特に5歳以下)

接種回数

  • 13歳未満の小児:原則2回接種(2〜4週間の間隔をあける)。
  • 13歳以上の小児・成人:原則1回接種。

効果発現と持続期間

  • 接種後2週間程度で抗体価が上昇。
  • 免疫効果は約5か月持続するため、流行期に合わせて10〜11月の接種が望ましい。

副反応と安全性

主な副反応

  • 注射部位の発赤・腫脹・疼痛(10〜20%程度)
  • 全身性の発熱や倦怠感(数%程度)
  • 重篤な副反応は極めてまれ

アレルギーについて

かつては卵アレルギー患者での接種が問題となったが、現在のワクチン製造技術では重度の卵アレルギー患者でも安全に接種できることが多いと報告されています。ただし重度アナフィラキシー既往例では慎重な判断が必要です。


最新の研究と課題

高齢者における免疫応答低下

高齢者では免疫老化の影響でワクチン効果が低下することが知られています。そのため、高用量ワクチンやアジュバント添加ワクチンの研究が進んでいます。米国ではすでに65歳以上を対象とした高用量ワクチンが承認され、日本でも今後の導入が検討されています。

COVID-19との同時流行(ツインデミック)

新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念されており、診断・治療の混乱を避けるためにもインフルエンザワクチン接種は重要です。また、新型コロナワクチンとの同時接種も安全性が確認されており、効率的な予防が可能となっています[4]。

ユニバーサルワクチンの開発

毎年の株選定に依存しない「ユニバーサルワクチン」の研究が進んでいます。ウイルスの保存的な領域(HAステム領域など)に対する免疫誘導を目指した臨床試験が進行中であり、今後の実用化が期待されます。


実臨床でのポイント

  • 早めの接種:今年は流行が早いため、従来よりも前倒しの接種を検討すべき。
  • 重症化リスク層の把握:高齢者、基礎疾患患者、小児、妊婦への優先接種を徹底する。
  • 集団施設での接種推奨:介護施設、学校、保育園などでの集団接種体制の構築が望ましい。
  • COVID-19との同時流行対応:発熱外来における検査体制強化、両ワクチンの接種推進が必要。

まとめ

2025年シーズンは例年より早い時期からインフルエンザ患者が確認されており、大規模流行の可能性が懸念されます。ワクチンの発症予防効果は限定的ではあるものの、重症化予防効果は明確であり、社会的な感染拡大抑制にも寄与します。

高齢者や基礎疾患を有する患者、小児や妊婦、医療従事者などは積極的に接種を受けるべきであり、特に今年は早めの接種が望まれます。最新の研究では、より効果的なワクチンの開発も進んでおり、将来的には毎年の流行に左右されない予防が実現する可能性があります。

医療従事者は、最新のエビデンスを踏まえた情報提供と接種勧奨を行うことで、患者と社会の健康を守る重要な役割を担っています。


 

 

 

 

📌 参考文献

  1. 1.厚生労働省 感染症発生動向調査 インフルエンザ定点報告 2025年9月速報

  2. 2.CDC. Seasonal Influenza Vaccine Effectiveness, 2024-2025.

  3. 3.Jefferson T, et al. Vaccines for preventing influenza in healthy adults. Cochrane Database Syst Rev.

  4. 4.WHO. Guidance on influenza and COVID-19 co-administration.

 

 

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科

■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分

院長 金沢 正幸

医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター

※婦人科は女性専門医が診察にあたります。

 

 

2025年09月30日
マラソンと酸素ボックス ― 疲労回復とリカバリー戦略を考える

マラソンと酸素ボックス

 

― 科学的エビデンスから考える疲労回復とリカバリー戦略

 

 

 

はじめに

 

先々週の9月12日の「マラソンの日」にちなんでマラソンとトレーニング、リカバリーについてお話ししました。

先週、わたくし個人も今年もマラソンチャレンジについての記事を書きました。

今や健康志向の高まりとともに、市民ランナーの数も年々増加し、フルマラソンやハーフマラソン、あるいは10kmや駅伝など、幅広い層がランニングを楽しんでいます。

しかしマラソンというスポーツは、体への負担が非常に大きいことでも知られています。42.195kmという長距離を走り切るためには、心肺機能や筋力だけでなく、「いかに効率よく回復するか」 という視点が極めて重要です。

今回のブログでは、マラソン後のリカバリー方法として注目を集めている 酸素ボックス(高気圧酸素療法:HBOT/軽度高気圧酸素療法:mHBOT) について、科学的な研究データをもとに解説していきます。一般の方にも理解しやすい形で、「なぜ効果があるのか」「どのように取り入れるのが現実的か」を掘り下げてみましょう。

 


1. 酸素ボックスとは? ― 溶解型酸素という仕組み

 

まずは酸素ボックスの基本から。

私たちが普段呼吸で取り込む酸素は、そのほとんどが血液中の ヘモグロビン に結合して体中へ運ばれます。これを 「ヘモグロビン結合型酸素」 といいます。

一方、血液には酸素が「そのまま溶け込んでいる状態」でも存在しており、これを 「溶解型酸素」 と呼びます。

通常の大気圧下では、溶解型酸素はごくわずかしか存在しません。しかし、酸素ボックスの中では大気圧より高い圧力(例:1.2〜2.5気圧)と高い酸素濃度を利用するため、血液中により多くの酸素が溶け込むことができます。

つまり酸素ボックスのメリットは、酸素を「赤血球だけでなく血漿にも運ばせる」ことで、普段は酸素が届きにくい微小血管や疲労部位に酸素を供給できる という点にあります。

この溶解型酸素の増加が、疲労回復やケガの治癒を助けるメカニズムのひとつと考えられています。

 


2. 酸素ボックスと疲労回復 ― 科学的研究のエビデンス

乳酸除去のスピードを高める

疲労の一因としてよく挙げられるのが「乳酸」です。運動強度が高まると筋肉内でエネルギー代謝が切り替わり、乳酸が産生されます。乳酸そのものが悪者というわけではありませんが、濃度が高くなると筋肉の働きを制限し、「重だるさ」や「動かない感覚」として現れます。

  • Sueblinvongら(2004) の研究では、激しい運動後に酸素ボックス(2.5 ATA, 100%酸素)を30分利用したグループは、通常の休息や酸素吸入のみのグループに比べて 血中乳酸の除去速度が有意に速い ことが示されました。

    つまり、酸素ボックスを利用すると「疲労物質が早く体から抜ける」可能性があります。ただし、この研究の酸素ボックスは、当院の酸素ボックスより気圧が非常に高く、酸素濃度も高くなっています。比較的大掛かりな装置で、治療効果も期待できる反面、酸素中毒や、耳抜きが難しい方には不向きです。感染治療や、難治性の骨折などで比較的大きな病院においてある場合があります。

主観的疲労感の軽減

  • Parkら(2018) は、軽度高気圧酸素(約1.3気圧)を運動前後に利用した試験を行い、運動後30分時点での乳酸濃度低下や疲労感の軽減を報告しました。

  • また、Gušićら(2024) は、サッカー選手を対象に試合後の酸素ボックス使用を検討した結果、血液マーカーやジャンプ・スプリント能力に大きな差はなかったものの、「体調の自己評価(Hooper Index)」が改善 することを示しました。

つまり、客観的な数値だけでなく、「体が楽になった」「翌日が軽い」といった感覚的な回復を実感しやすい のも酸素ボックスの特徴です。当院での酸素ボックスは、この軽度高気圧酸素に該当します。比較的手軽に利用でき、酸素中毒などのリスクもなく安全に行えるというメリットがあります。

 


3. ケガや炎症の回復を助ける可能性

マラソンやランニングで多いのは、筋肉痛や腱・靭帯の炎症、疲労骨折など。こうしたケガの回復に酸素ボックスはどのように役立つのでしょうか?

  • 酸素供給が増えると、組織の修復に必要なエネルギー(ATP)産生が高まります。

  • 高気圧酸素療法は 炎症や腫れを抑え、血流を改善する作用 があり、軟部組織の回復を早める可能性が報告されています。

  • 疲労骨折に関してはまだ限定的な研究ですが、骨の治癒促進効果を示すデータも出てきています。

つまり、酸素ボックスは「疲労の抜けを速くするだけでなく、組織の修復をサポートする」可能性があるのです。

 


4. プロアスリートの使用事例

世界のトップアスリートの中には、日常的に酸素ボックスを利用している人が少なくありません。オリンピック選手やプロサッカー選手が遠征時や大会前後に使用している事例も数多く報告されています。

特に重要なのは、彼らが「試合や練習の翌日も最高のコンディションを保つ」ために使っている という点です。

一般ランナーにとっても、「翌日の疲労を残さないこと」は練習の継続性やケガ予防につながるため、プロと同じ発想で取り入れる価値があります。


5. 効果的な利用方法の目安

研究や実際の使用例から、酸素ボックスの活用方法をまとめると以下のようになります。

  • 頻度:週1〜2回(定期的に使う方が効果的)

  • 時間:30〜60分

  • タイミング:長距離走やインターバルなど高強度練習の直後、または大会後

  • 目的別のイメージ

    • 疲労回復:運動直後に使う

    • ケガの回復:炎症がある時期に継続的に使う

    • コンディショニング:大会や記録会前後に使用

    • 具体的には、試合の翌日や、合宿などのハードな練習後にリカバリーとして使用するのはおすすめです。

    • 又、パフォーマンス向上を期待して、溶解型酸素の恩恵を期待するのであれば、大切な試合前などに体の中に溶解型酸素をため込んでおくのも良いのではないでしょうか?


6. 注意点と限界

もちろん酸素ボックスにも注意すべき点があります。

  • 単回利用の効果は一時的:継続的な利用が推奨されます。

  • 誰にでも万能ではない:持病や耳鼻のトラブルがある場合には使用できないケースがあります。

  • 高すぎる圧力はリスク:安全性の確保された施設で利用することが重要です。

つまり、酸素ボックスは「魔法の治療」ではなく、あくまで 科学的根拠のある補助的リカバリー手段 として正しく使うことがポイントです。

 


まとめ

 

マラソンや長距離ランニングは、体に大きな負担を与えるスポーツです。だからこそ「走ること」と同じくらい「回復すること」が重要です。

酸素ボックスは、

  • 血中の溶解型酸素を増やし、微細な組織まで酸素を届ける

  • 疲労物質の除去や主観的疲労感の軽減に役立つ

  • 炎症やケガの回復を助ける可能性がある

  • プロアスリートも利用している

といった特徴を持ちます。

週1〜2回の継続利用をうまく取り入れることで、練習の質を落とさず、ケガを防ぎ、より長くランニングを楽しめる体をつくることができるでしょう。

次のマラソンに向けて、ぜひ「走る練習」だけでなく「回復の練習」にも目を向けてみてください。

 

 

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科

■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分

院長 金沢 正幸

医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター

※婦人科は女性専門医が診察にあたります。

 

2025年09月22日
It’s 笑 time

 

 

West point Pops Orchestraのライブに行ってきました。

波多江アキノリさんの指導するDr.Pc.E.B.EG.Pf.Keyb.Sax.Trp.Cho,Vn.Flなどの楽器で構成されたアマチュアのポップスオーケストラです。

縁あって、今回協賛という形で参加させていただきました。

It’s 笑 timeというネーミング通り、笑いの絶えない楽しいライブでした。

 

波多江さんの軽快なトークと素敵な歌と音楽であっという間の2時間でした。ちゃっかり、クリニックの宣伝もさせていただきありがとうございました。

 

  

 

 

 

 

 

又、次回も行きたくなる楽しい時間でした。

 

 

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科

■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分

院長 金沢 正幸

医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター

※婦人科は女性専門医が診察にあたります。

 

 

2025年09月21日
季節の変わり目に頼れる「漢方」という選択肢

季節の変わり目に頼れる「漢方」という選択肢

夏の疲れが抜けきらないまま、朝晩の冷え込みが増してくるこの季節。「何となく調子が悪い」「眠りが浅い」「肩こりや冷えがつらい」といった症状を訴える方が増えてきます。

こうした状態は、現代医学の検査では異常が見つからないことも少なくありません。漢方ではこれを「未病(みびょう)」と呼び、治療や改善の対象としています。


漢方の考え方 ― 全身のバランスを整える

漢方は局所の症状だけを抑えるのではなく、体全体のバランスを整えることを重視します。血流や気の巡りを改善し、自然治癒力を高めることで、根本的な改善を目指します。


婦人科でよく使われる漢方

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

     冷え性、むくみやすさ、月経不順に。体力が少なめの女性に用います。

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)

     更年期のイライラ、のぼせ、不眠に。自律神経の乱れを整えます。

  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

     血の滞りを改善し、冷えのぼせや子宮筋腫に伴う症状に。


整形外科で活躍する漢方

  • 八味地黄丸(はちみじおうがん)

     腰痛、下肢の冷えやしびれに。加齢に伴う不調や夜間頻尿にも。

  • 葛根湯(かっこんとう)

     風邪の初期だけでなく、肩こりや首のこわばりに有効。血流を促進します。

  • 疎経活血湯(そけいかっけつとう)

     関節痛や神経痛に。血流を改善し、冷えを伴う痛みに。

  • 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

     足のつりやこむら返りに即効性を発揮します。


「オーダーメイド」の治療としての漢方

同じ「腰痛」でも、冷えが原因か、炎症が強いのかによって処方は異なります。漢方は症状だけでなく体質を含めて処方を選ぶ、まさにオーダーメイド医療です。

「年齢のせいだから…」と不調を我慢してしまう方も少なくありませんが、体質に合った漢方を取り入れることで改善の可能性が広がります。


まとめ

検査で異常がない不調にこそ、漢方は力を発揮します。当院では西洋医学と漢方を組み合わせた診療を行い、一人ひとりに合わせた治療を提案しています。

「ちょっとした不調が続いている」「薬を増やしたくない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科

■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分

院長 金沢 正幸

医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター

※婦人科は女性専門医が診察にあたります。

 

2025年09月16日
今日はマラソンの日らしいですよ!

■ マラソンの日とは

9月12日は「マラソンの日」。

1896年、アテネで開催された第1回近代オリンピックでマラソン競技が初めて行われたことに由来しています。

マラソンは「42.195kmを走る壮大な挑戦」として世界中で親しまれ、日本でも東京マラソンをはじめ各地で市民大会が盛り上がりを見せています。

そして「走ること」は今や単なるスポーツの枠を超え、健康づくりや人生観を支える大切な営みになっています。

今年は、11月に下関海響マラソンにチャレンジ予定です。


 

■ マラソン人気と健康志向

マラソンの魅力はゴールを目指す達成感だけではありません。

  • 有酸素運動による心肺機能の強化

  • 生活習慣病予防

  • ストレス解消やメンタルケア

  • 仲間と走る楽しさ

こうしたメリットがある一方で、走る距離や負荷が大きくなると体のあちこちにトラブルが生じやすくなります。


 

 

■ 整形外科から見た「ランナーの体」

マラソンや長距離ランニングでは、特に次のような障害が多く見られます。

  • 膝の外側の痛み(腸脛靭帯炎)

  • すねの内側の痛み(シンスプリント)

  • アキレス腱炎や足底筋膜炎

  • 疲労骨折(脛骨・中足骨など)

これらは、練習量の急増やフォームの乱れ、体幹や筋力不足が重なることで起こりやすくなります。

整形外科的に大切なのは「予防」と「早めのケア」です。

違和感を放置せず、リハビリやストレッチを取り入れることで、長く走り続けられる体を守ることができます。


 

 

■ 婦人科から見た運動と健康

女性にとっても運動習慣は大切です。

  • 月経周期との付き合い方

     → 周期に合わせて練習量を調整することで、ケガや不調を防ぎやすくなります。

  • 更年期世代の運動

     → 骨密度の低下や代謝の変化が起こる時期だからこそ、無理のない運動習慣が骨粗鬆症や生活習慣病予防につながります。

  • 骨粗鬆症予防

     → ジョギングやランニングのような荷重運動は骨を刺激し、骨密度維持に効果があります。

婦人科的な視点を持ちながら運動を続けることは、長く健康を維持する上で欠かせません。


 

 

■ リカバリーの重要性

マラソンやランニングでは「練習すること」だけでなく「回復すること」も同じくらい大切です。

特に大人になってから走り始めた方は、仕事や家事の疲れも重なり、体の回復が追いつかないことが少なくありません。

疲労が抜けない状態で練習を続けると、パフォーマンスが落ちるだけでなく、ケガのリスクが高まります。

そこで当院が一押ししたいのが 酸素ボックス です。

当院では、酸素ボックス(を使ったリカバリーサポートを取り入れており、科学的にもその効果が認められつつあります。以下、研究データに基づく効果と、実際にご利用いただく場合の目安をご紹介します。まだまだ、不明な点も多く個人差もあるようですが、多くのアスリートが効果を実感しているようです。ちなみに私は、結構頻回に利用してますが、利用初めてかなり疲労回復、睡眠、目の疲れなどに関して効果を実感しています。

以下酸素について簡単にまとめます

 

1.酸素ボックス

 

 

 

(HBOT/MHBOT/軽度高気圧酸素療法・溶解型酸素含む)とは何か

 

まず概念整理を簡単に。

  • Hyperbaric Oxygen Therapy (HBOT):100% 酸素を、通常の大気圧以上(例えば 2.0-2.5 ATA やそれ以上)に加圧された箱やチャンバー内で吸入する療法。身体組織への酸素分圧を高め、酸素溶解量を増やし、酸素供給改善や組織修復を促すことを目的とする。

  • Mild Hyperbaric Oxygen Therapy (MHOT, 軽度高気圧酸素療法):上記より加圧を軽くし(1.2〜1.5 ATA 程度)、酸素濃度を大気中よりやや上げる方式。身体への負担が少なく、継続利用しやすいタイプ。

  • 溶解型酸素(Dissolved Oxygen):酸素が血漿中に溶け込む形で存在する酸素分で、通常の吸入酸素だけでは限界がある酸素供給の改善に重要。高気圧環境下ではこの溶解酸素量が飛躍的に増えるため、微小な毛細血管や血流の乏しい組織にも酸素が届きやすくなる。HBOT の重要な機序のひとつ

■ 科学的根拠:何がどれだけ改善するか

  1. 筋疲労・損傷マーカーの軽減

     中国の大学アスリートを対象とした研究では、90分間のサイクリングで疲労を誘発させ、その後 MHOT(約 1.25 ATA、酸素濃度 26-28%)を 60 分行ったところ、筋損傷(例:クレアチンキナーゼ CK)、乳酸(LA)、血中の尿素窒素(BUN)などの回復が、通常の休息と比べて有意に早かったと報告されています。

  2. 主観的疲労感・心拍・血流の回復

     同じ研究で、運動後の「感じる疲労(Rating of Perceived Exertion, RPE)」や心拍数、末梢血流(Perfusion Index)の回復も、MHOT 群で対照群より早かったことが示されています。疲れが長く残るランナーにはこの点が特に有効です。

  3. 炎症・酸化ストレスの抑制

     繰り返し MHOT を実施した群では、SOD(抗酸化酵素)などの改善、また MDA(酸化ストレスマーカー)の低下が報告され、炎症反応や活性酸素による細胞ダメージの軽減が期待できます。

  4. 主観的回復感の改善

     プロ・ユース選手を対象とした研究では、HBOT を 1 回行った後、疲労・睡眠・ストレスなど日頃から感じる体調を総合評価する Hooper Index で HBOT 群が偽処置群より有意に改善したというデータがあります。パフォーマンス指標そのものは即時には変わらなくとも、「次の日・翌々日の動き」に影響を与える可能性があります。 Frontiers

  5. 怪我・軟部組織の回復補助

     筋・軟部組織の損傷、骨や骨髄浮腫などに対して、酸素療法が補助的に有効であるというレビュー報告。浮腫の軽減や血管新生の促進などの生理作用が確認されています。春先・シーズン始めのトレーニングで痛みが出やすい部位の回復には特に注目。 journalofsportsmedicine.org

■ プロや競技レベルでの実践例

  • 若いフットボール選手や大学アスリートにおいて、疲労回復ツールとして HBOT/MHOT を競技後のサポート手段に組み込んでいる実例が増えています。 

  • プロ選手が大会シーズン中に浮腫や筋肉のこわばりを軽くするため、また回復を早めるために HBOT を活用しているという報告・メディア紹介も複数。具体的な競技名や選手名は施設や報道により異なりますが、「大会翌日〜数日中」の回復を目的とした使用が多いようです。 

■ 溶解型酸素とその意義

酸素ボックスにより「溶解した酸素(血漿中に物理的に溶けている酸素分)」が増えること。これは通常の呼吸だけでは限界がある組織/微細血管部への酸素供給を補うために極めて重要です。

  • 通常、大気中で呼吸した酸素は主にヘモグロビンに結合して運ばれますが、毛細血管の細部や、血流の悪くなっている部位、虚血に近い部分にはヘモグロビン酸素だけでは十分でないことがあります。

  • 高圧・高酸素濃度の環境下では肺での酸素分圧が上がり、血漿中にも酸素が溶け込む量が飛躍的に増加します(溶解型酸素量の増加)。このことが、通常の安静回復や血流改善だけでは回復しにくい部位の修復・浮腫の軽減に寄与します。複数のレビューでこの機序が HBOT の主要な効果の一つとされている。

■ 効果が出るまでの目安・頻度

研究データから、以下のような頻度・時間設定が効果を出しやすいことが示されています:

  • 週 1〜2 回 のセッションが繰り返されることで、疲労マーカーの改善・主観的疲労感・炎症ストレス指標・回復感で有意な改善が見られる研究あり。特に「6 回連続使用」などのような繰り返しが有効。

  • 1 セッションあたり 60 分前後 が典型。施設の構造・安全性に応じて 45 分〜90 分を設定する例もあり。

  • 加圧圧力や酸素濃度は、中程度のもの(MHOT/軽度タイプ)でも十分な効果を示した研究があるため、重度負荷や副作用を避けたい場合には MHOT が実践的。高圧型を使う場合は安全チェックを徹底。

  •  

 

8.まとめ・クリニックとしての提言

マラソンランナーや長距離を走る方、また大会前後やトレーニング強化期の皆さまに対して、以下のような回復プランをおすすめします。


クリニック回復プラン提案

「週 1~2 回の酸素ボックスセッションを核とした回復サイクル」

フェーズ 内容
練習直後・大会直後 距離/強度の高い練習やレース後は、できれば翌日以内に酸素ボックスを使用。主観的疲労感・筋肉の張り・腫れを感じる部位を中心にケア。
通常練習週 疲労の蓄積が感じられた週末、週の中間に 1 回。練習量が多い・体への負荷が大きい時期には 2 回。
回復日 ジョグや軽いストレッチのみの日と組み合わせ、酸素ボックスで体の修復を促進。睡眠・栄養(特にたんぱく質・抗酸化栄養素)を意識する。
モニタリング 主観的疲労(スケールをつける)、筋痛・関節痛、睡眠の質、練習中の心拍数や回復心拍(休息時)など。可能なら炎症マーカー(CK など)を定期的チェック。

注意事項

  • 個人差があります。持病(心肺・肺・耳・鼻・圧に対する耐性など)がある方は相談を。

  • 閉所恐怖症、妊婦の方は不可。

  • 運動・栄養・休養の三本柱との併用が肝心。酸素ボックスだけで全てが解決するわけではない。

  •  

 

9.結語

マラソンは「耐えるスポーツ」でもありますが、それ以上に「繰り返し優れた状態を保つスポーツ」です。走ることだけでなく、その後の身体のケア(回復)を科学的に実践することが、長く元気に走り続ける秘訣です。

週 1〜2 回の酸素ボックス利用は、科学的にも回復改善・疲労軽減のデータがあり、「感じる疲れ」の軽さや次の練習・レースでの動きの良さにつながる可能性があります。皆さまもこの「マラソンの日」をきっかけに、ご自身の回復サイクルを見直してみてはいかがでしょうか。当院も、身体のケアと回復のプロとして全力でサポートいたします。

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科

■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分

院長 金沢 正幸

医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター

※婦人科は女性専門医が診察にあたります。

 

2025年09月12日
秋の親子体力づくり ― 運動会シーズンを元気に乗り切るコツ

 

 

秋の親子体力づくり ― 運動会シーズンを元気に乗り切るコツ

 

9月は運動会シーズン。お子さんの応援や準備で、親御さんも普段以上に体を動かす機会が増えます。しかし、忙しさや夏の疲れで体力が落ちていると、思わぬ腰痛や肩こり、疲労を感じやすくなります。

そこで今回は、親子でできる体力づくりや、秋を元気に過ごすためのポイントを整形外科・婦人科の視点でご紹介します。


1. 親子で楽しむ簡単ストレッチ

運動会前後の親子のケアとして、簡単なストレッチがおすすめです。

  • 肩まわりストレッチ:腕を回したり、肩甲骨を寄せる動きで肩こり防止

  • 腰まわりストレッチ:前屈や体側伸ばしで腰痛予防

  • 足まわりのストレッチ:ふくらはぎや太ももをほぐして、足の疲れを軽減

子どもと一緒に行うと、遊び感覚で続けやすく、親子のコミュニケーションにもなります。


2. 親子でできる体幹トレーニング

体幹を鍛えることで、運動会の長時間の応援や走る動作にも耐えやすくなります。

  • プランク:お腹と背中の筋肉を同時に鍛える

  • スクワット:膝や腰に負担をかけず、脚の筋力アップ

  • バランス遊び:片足立ちやボール渡しゲームで楽しみながら体幹強化


3. 冷えと疲労対策

秋は朝晩の冷えも増え、体の疲れが抜けにくくなります。

  • 腰やお腹を温めることで、筋肉がほぐれ血流が改善

  • 入浴や温湿布で疲労回復

  • 漢方の利用も一つの方法です。体質に合わせて、冷えや疲労に対応する漢方を取り入れることで、無理なく体力をサポートできます


4. 酸素ボックスとリポCでさらにサポート

当院では、疲労回復や体力維持のサポートとして 酸素ボックス と リポC をおすすめしています。

  • 酸素ボックス:高濃度酸素環境で血流を改善し、運動後の疲労回復や睡眠の質向上に役立ちます。当院の酸素ボックスは、親子2人で入ることも可能です!!

  • リポC:抗酸化作用や免疫サポートで、疲労や季節の体調変化に対応。お値段は高いですがお子様も飲んでいただいて問題ありません。

    リポソームのリン脂質を構成するフォスファチジルコリン(PC)が脳の栄養補給に大変優れ、子どものIQを向上させるという論文があるほどです。

私自身も愛用しており、運動会の前後や診療の合間に取り入れることで、体力の維持に役立っています。


5. 日常生活で気をつけるポイント

  • 運動会や子どもの送迎時、腰や膝に負担をかけない動き方を意識

  • 長時間立つときは、軽く膝を曲げたり、足の位置を変えたりして腰への負担を分散

  • 栄養バランスの取れた食事でエネルギー補給


まとめ

運動会シーズンは、親子ともに体を動かす良い機会ですが、疲労や腰痛、肩こりのリスクも高まります。

  • 親子でできる簡単ストレッチや体幹トレーニング

  • 冷えや疲労対策としての漢方

  • 酸素ボックスやリポCでのサポート

これらを組み合わせることで、運動会シーズンも元気に乗り切ることができます。

「子どもと一緒に体力をつけたい」「疲れや腰痛を予防したい」という方は、ぜひご相談ください。

 

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科

■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分

院長 金沢 正幸

医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター

※婦人科は女性専門医が診察にあたります。

 

2025年09月11日
検診の秋

検診の秋 ― 骨粗鬆症・婦人科検診を受ける意味

秋は健診シーズン。会社や自治体での健康診断を受ける方も多く、病気の早期発見・予防を意識する絶好のタイミングです。今回は、整形外科・婦人科の両面から「なぜ検診を受けることが大切なのか」をご紹介します。

 

1. 骨粗鬆症検診 ― 骨を守るために今できること

骨粗鬆症は「骨がもろくなる病気」で、特に閉経後の女性や高齢者に多く見られます。初期は症状がほとんどなく、転倒や小さな衝撃で骨折することで初めて気づくケースも少なくありません。

骨粗鬆症検診でわかること

  • 骨密度:骨の強さを測定

  • 骨折リスク:年齢や既往歴から将来の骨折可能性を評価

  • 生活習慣チェック:運動量や食事の栄養バランス、喫煙・飲酒の影響

検診を受けることで、骨折リスクの高い状態を早期に把握できます。必要に応じて、生活習慣改善や薬物療法、骨を強くする栄養指導を受けることが可能です。

日常でできる骨の健康対策

  • カルシウム・ビタミンDを意識した食事

  • 適度な運動(ウォーキングや体幹トレーニング)

  • 転倒防止のための家の環境整備


2. 婦人科検診 ― 女性のライフステージごとの健康管理

婦人科検診は、子宮や卵巣の病気を早期に発見するだけでなく、更年期症状やホルモンバランスのチェックにも役立ちます。

主な検査内容

  • 子宮頸がん検査:異形成やがんの早期発見

  • 子宮体がん検査:症状が出にくい体がんのチェック

  • 乳がん検診(希望者)

  • ホルモン・血液検査:更年期症状や骨代謝異常の確認

定期的な検診で、症状が出る前に生活改善や治療を開始できるのが大きなメリットです。特に更年期以降は、骨粗鬆症と婦人科の健康が密接に関係するため、両方の検診を併せて受けることが望ましいです。


3. 検診で早期発見・早期対策が可能

  • 骨粗鬆症であれば、骨折を防ぐ生活指導や薬物治療

  • 婦人科疾患であれば、がんの早期治療やホルモンバランスの改善

健診を受けることで、自分の体の状態を正確に把握でき、将来のリスクを減らすことにつながります。


4. 健康維持のためのサポートも活用

当院では、検診結果に応じた生活指導だけでなく、日々の疲労や体調管理のサポートも行っています。

  • 酸素ボックス:高濃度酸素で血流を改善、疲労回復や睡眠の質向上

  • リポC:抗酸化作用で免疫サポートや体力維持

  • 漢方治療:体質に合わせて冷えや疲労感を改善

私自身も日常的に酸素ボックスとリポCを活用しており、検診後の体調管理にも役立っています。


5. 検診の秋に意識したいポイント

  • 健診は「病気があるかどうか」を確認するだけでなく、生活習慣改善や健康維持のきっかけにもなる

  • 骨粗鬆症や婦人科疾患は、症状が出る前の対策が重要

  • 年齢やライフステージに合わせて検診の内容を選ぶ

  •  

 

まとめ

秋は「検診の季節」です。整形外科の骨粗鬆症検診、婦人科検診を受けることで、症状が出る前に体の状態を把握し、早期対策が可能になります。

さらに、酸素ボックスやリポC、漢方治療など日常のサポートを取り入れることで、健康維持と疲労回復も同時に実現できます。

「健診を受けたいけど迷っている」「年齢に合わせて健康を見直したい」という方は、ぜひ当院へご相談ください。

 

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科

■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分

院長 金沢 正幸

医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター

※婦人科は女性専門医が診察にあたります。

 

2025年09月10日
「漢方」という選択肢もあります。

季節の変わり目に頼れる「漢方」という選択肢

夏から秋への移り変わりは、体調が大きく揺らぐ時期です。だるさ、冷え、肩こり、眠りの浅さ…。検査では異常が見つからないけれど不快な症状が続く。こうした状態を漢方では「未病」と呼び、改善をめざします。

当院では西洋医学とあわせて漢方の処方を積極的に取り入れています。


婦人科での漢方の活用

  • 当帰芍薬散 ― 冷えや月経不順、体力の少ない方に。

  • 加味逍遙散 ― 更年期のイライラ、不眠、のぼせに。

  • 桂枝茯苓丸 ― 瘀血体質を改善し、生理痛や子宮筋腫に伴う不調に。


整形外科での漢方の活用

  • 八味地黄丸 ― 腰痛やしびれ、夜間頻尿に。高齢者にも多用されます。

  • 葛根湯 ― 肩こりや首のこわばりに。風邪初期にも。

  • 疎経活血湯 ― 神経痛や関節痛に。血流を改善し冷えを伴う痛みに。

  • 芍薬甘草湯 ― 急なこむら返りや筋痙攣に。スポーツ後にも即効性。


一人ひとりに合わせる治療

同じ症状でも、体質や生活背景に応じて処方が変わるのが漢方の特徴です。オーダーメイド感覚で使えるのは、西洋薬にはない利点です。


プラスαのサポート ― 酸素ボックスとリポC

当院では、漢方と並んで「体調管理のサポート」として 酸素ボックス を導入しています。高濃度酸素環境で過ごすことで疲労回復や睡眠の質改善が期待でき、スポーツや仕事で疲れが溜まっている方に好評です。

また、ビタミンCを効率よく摂取できる リポC もおすすめしています。抗酸化作用や免疫サポートに優れており、体調を崩しやすい季節の変わり目に役立ちます。実は、私自身も酸素ボックスとリポCを愛用しており、日々の診療を続けるうえでの強い味方になっています。


まとめ

体のバランスを整える漢方、そして現代的なサポートである酸素ボックスとリポC。これらを組み合わせることで、健康の質をさらに高めることができます。

「なんとなく調子が悪い」「疲れが取れない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科

■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分

院長 金沢 正幸

医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター

※婦人科は女性専門医が診察にあたります。

 

2025年09月08日