導入(最近とても増えている相談)
「再生医療を勧められました」
「高額ですが、やった方がいいのでしょうか?」
最近、変形性膝関節症の患者さんから
こうした相談を受ける機会が明らかに増えています。
確かに、再生医療や自費診療が注目されているのは事実です。
しかし、すべての方にとって最善の選択とは限りません。
まず整理したい:変形性膝関節症とは
変形性膝関節症は、
・加齢
・膝への負担の積み重ね
・筋力低下
などによって、
関節軟骨がすり減り、痛みや動かしにくさが出る状態です。
重要なのは、👉 進行のスピードも、症状の出方も人それぞれ
という点です。
「変形がある=すぐに手術」ではありません
レントゲンで変形が見られても、
・痛みが軽い
・日常生活に大きな支障がない
という方も少なくありません。逆に、変形が軽く見えても、
痛みが強いケースもあります。
👉 画像だけで治療方針は決まりません。
再生医療について、整形外科医としてお伝えしたいこと
再生医療が選択肢になるケース
・保存療法を十分行っても改善しない
・痛みが生活の質を大きく下げている
・内容・費用・限界を理解したうえで希望される
このような場合、一つの選択肢として検討されることはあります。
すべての人に必要な治療ではありません
再生医療は、
・自費診療で高額
・効果に個人差がある
・永続的な効果を保証するものではない
という現実があります。
👉
「やらなければ治らない」
「これしかない」
というものではありません。
多くの方にまず考えてほしい保存療法
① リハビリ・運動療法
太ももの筋力強化
膝への負担を減らす動きの習得
👉 膝の治療の土台です。
② 生活動作の見直し
階段の使い方
立ち上がり動作
体重管理
これだけでも、
症状が大きく変わる方がいます。
③ 薬物療法・注射治療
痛み止め
ヒアルロン酸注射など
症状に応じて、
無理のない範囲で組み合わせます。
「高額治療を選ばない=諦め」ではありません
現実的には、
・費用の問題
・通院頻度
・生活背景
は人それぞれです。
👉
治療は、その人の生活に合ってこそ意味があります。
高額な治療を選ばなくても、適切な保存療法で長く付き合いながらコントロールできるケースは非常に多いです。
受診時に大切にしてほしい視点
・今の痛みはどの程度か
・生活で困っていることは何か
・どこまでの改善を目指したいか
これを共有することで、現実的で納得感のある治療方針が立てられます。
最後に
変形性膝関節症の治療に、「これしかない」という正解はありません。
大切なのは、
・情報を整理すること
・選択肢を知ること
・自分に合った治療を選ぶこと
です。
不安や疑問があれば、
一度整形外科でご相談ください。