こんにちは
「腰が痛いけど、動いた方がいいんでしょうか?」
これは外来でほぼ毎日のように聞かれる質問です。
一方で、
・動くと楽になる腰痛
・動くと悪化する腰痛
があるのも事実です。この違いを知らずに自己判断すると、回復を遅らせることがあります。
動くと楽になる腰痛の特徴
代表的な特徴
・朝起きた直後が一番つらい
・動いているうちに軽くなる
・同じ姿勢を続けると痛くなる
このタイプは、
・筋肉のこわばり
・関節の動きの悪さ
・姿勢・動作の癖
が関与していることが多く、
適切に動かした方が回復しやすい腰痛です。
こうした腰痛に多い原因
慢性腰痛
軽度の腰椎変性
運動不足や長時間同一姿勢
👉 この場合、必要以上の安静は逆効果になることがあります。
動くと悪化する腰痛の特徴
注意が必要なサイン
・動かすたびにズキッと痛む
・前かがみ・後ろ反りで強く痛む
・痛みが増してきている
このタイプでは、
・急性腰痛(ぎっくり腰)
・椎間板由来の痛み
・炎症が強い状態
が疑われます。
特に注意したい症状~すぐに受診を考えたい「腰痛のレッドフラッグ」~
多くの腰痛は命に関わるものではありません。
しかし、中には早めの評価が必要な腰痛もあります。
以下のような症状を伴う場合は、
「様子見」ではなく、早めの受診をおすすめします。
① 安静にしていても強い痛みが続く
横になっても痛みが軽くならない
夜中に痛みで目が覚める
👉 炎症や別の病態が隠れていることがあります。
② 足のしびれ・力が入りにくい
しびれが徐々に広がっている
足に力が入りにくく、つまずきやすい
👉 神経の圧迫が進行している可能性があります。
③ 排尿・排便の異常を伴う
尿が出にくい
便意が分かりにくい
👉 緊急性の高い状態が疑われるため、早急な対応が必要です。
④ 発熱や全身症状を伴う腰痛
発熱
強い倦怠感
原因不明の体重減少
👉 感染症など、整形外科以外の視点も必要な腰痛があります。
⑤ 転倒や強い外力のあとに出た腰痛
高いところから落ちた
強く尻もちをついた
👉 骨折が隠れていることがあり、早期評価が重要です。
レッドフラッグがない腰痛でも安心しきらなくていい理由
レッドフラッグがなくても、
・痛みが長引いている
・日常生活に支障がある
・自己判断が難しい
こうした場合は、「危険ではないことを確認するための受診」も十分に意味があります。
整形外科での診断の考え方
診察で確認するポイント
整形外科では、
・どの動きで痛むか
・痛みの出る姿勢
・神経症状の有無
・日常動作への影響
を実際に確認します。
👉 「動いた方がいい腰痛か」「今は休むべき腰痛か」ここを見極めることが診察の大きな役割です。
検査は必要?
レントゲン検査
・骨の変形
・アライメント
・明らかな異常
を確認します。
※画像がきれいでも、痛みが否定されるわけではありません。
治療は原因と時期で変わる
動かした方がよい腰痛の場合
・痛みを悪化させない範囲での運動
・リハビリによる動作指導
・生活動作の修正
👉 「正しい動かし方」を知ることが回復の近道です。
まず安静が必要な腰痛の場合
・一時的な安静
・痛み止めの使用
・炎症が落ち着いてから段階的に動かす
👉 無理に動くと、かえって回復が遅れることがあります。
自己判断で迷ったときの受診目安
・痛みが数日続いている
・動くと楽なのか悪化するのか分からない
・仕事や日常生活に支障が出ている
こうした場合は、一度整理してもらうだけでも価値があります。
最後に
腰痛は一括りにされがちですが、「動いていい腰痛」と「注意すべき腰痛」は別物です。
無理な我慢や自己流の対処で長引かせる前に、原因を整理することが回復への近道になります。
気になる症状があれば、整形外科でご相談ください。