こんにちは
本日は、整形外科の外来でも受診のきっかけになりやすい膝の痛みについてお話ししましょう。
膝が痛いのに「レントゲンは異常なし」と言われた方へ
― それでも痛みが続く理由と、整形外科での考え方 ―
「膝が痛くて受診したけど、レントゲンでは異常なしでした」
「じゃあ、この痛みは何なんでしょうか?」
外来でとてもよく聞く言葉です。画像で異常がない=問題がないと思われがちですが、実際にはレントゲンに写らない原因で痛みが出ているケースも少なくありません。
レントゲンで分かること・分からないこと
レントゲンで主に分かること
・骨折
・明らかな変形
・関節の隙間(変形性膝関節症の進行度)
レントゲンでは分かりにくいこと
・半月板損傷
・軟骨の初期変化
・靱帯・腱のトラブル
・筋肉や滑膜の炎症
👉 「異常なし」は「骨に大きな問題がない」という意味であり、
痛みの原因が否定されたわけではありません。
膝が痛いのに画像で異常が出にくい主な原因
① 半月板のトラブル
・ひねった覚えがある
・階段の昇り降りで痛い
・しゃがむと違和感がある
初期の半月板損傷は、レントゲンでは分かりません。
② 変形性膝関節症の初期
レントゲンでは「年相応」
でも実際には痛い。初期では、痛みと画像所見が一致しないことがよくあります。
③ 膝周囲の筋・腱の炎症
・太ももの前や内側が張る
・動き始めが痛い
これは、膝そのものより周囲組織の負担が原因のことがあります。
④ 使い方・動かし方の問題
・片脚に体重をかける癖
・筋力バランスの乱れ
👉 構造ではなく動作が原因の痛みです。
整形外科での診断の進め方
診察が最も重要
整形外科では、
・どの動作で痛むか
・押すと痛い場所
・可動域・不安定性
・歩き方や立ち上がり動作
を実際に確認します。
👉 ここで、
「画像で見るべき痛みか」
「動きで評価すべき痛みか」
を整理します。
必要に応じた追加検査
MRI検査
・半月板
・軟骨
・靱帯
の評価が必要な場合に検討します。
※すべての膝痛に必要なわけではありません。
治療の考え方は「原因別」
炎症が強い場合
・痛み止め・外用薬
・必要に応じて注射治療
動作・筋力が原因の場合
リハビリによる運動療法
・使い方の修正
・日常動作の指導
👉 画像がきれいな膝ほど、リハビリが効果的なことも多いです。
「様子見」でいいケース・再評価すべきケース
様子見可能なことが多いケース
・痛みが徐々に軽くなっている
・日常生活に大きな支障がない
再評価を考えたいサイン
・痛みが続く・悪化する
・引っかかり感や不安定感
・階段や立ち上がりがつらい
最後に
「レントゲンは異常なし」と言われても、痛みがあるという事実は変わりません。
原因を整理することで、無駄な我慢、不必要な安静を避け、適切な治療やリハビリにつなげることができます。
気になる症状が続く場合は、一度整形外科でご相談ください。
この記事の監修・執筆者
かなざわ整形外科・婦人科 院長 金沢 正幸
資格
医学博士/日本整形外科学会専門医/
日本整形外科学会リハビリテーション医/ 日本整形外科学会リウマチ医/
日本整形外科学会スポーツ医/ 日本医師会認定スポーツ医/日本体育協会公認スポーツドクター
所在地
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※婦人科は女性専門医が診察にあたります。