こんにちは
冬季オリンピック盛り上がっていますね。本日は捻挫(足首が多い)についてお話ししましょう。
捻挫は軽く見てはいけない理由
―「歩けるから大丈夫」が危険なケースとは ―
外来あるある
「捻挫しましたが、歩けるので大丈夫ですよね?」
整形外科外来で非常によくある相談です。
確かに、多くの捻挫は適切な対応で自然に改善します。
しかし一方で、軽く見た結果、痛みや不安定感が長引くケースも少なくありません。
そもそも「捻挫」とは何か
捻挫とは、関節をひねることで
・靱帯の損傷
・関節包の損傷
・周囲組織(腱・軟骨)のダメージ
が起きた状態を指します。
👉 骨に異常がない=軽症とは限りません。靱帯損傷って言われると重く感じるでしょ?
「歩ける=大丈夫」ではない理由
理由① 靱帯損傷の程度は見た目では分からない
靱帯損傷は
軽度(伸びただけ)
中等度(部分断裂)
重度(完全断裂)
に分かれます。
歩けるかどうかと靱帯がどれだけ傷んでいるかは、必ずしも一致しません。
理由② 骨折や骨挫傷を伴うことがある
捻挫と思って受診された方の中には、
・小さな剥離骨折
・骨挫傷(骨の打撲)
が見つかることがあります。
これらは初期のレントゲンで分かりにくいこともあるため、経過観察や再評価が重要になります。
捻挫を放置するとどうなるか
慢性足関節不安定症
足首の捻挫で多いのが、
・何度も同じところを捻る
・ちょっとした段差で不安定
・運動時に怖さが残る
といった状態です。
これは、靱帯が十分に治らないまま使い続けた結果起こります。
整形外科で行う診断の流れ
① 診察(ここが最重要)
・どの方向にひねったか
・どこが一番痛むか
・腫れ・内出血の範囲
・関節のぐらつき
を丁寧に確認します。
👉 診察だけで重症度の見当がつくことも多いです。
② 画像検査
レントゲン
骨折の有無、剥離骨折を確認します。
必要に応じて追加検査
痛みが強く続く不安定感が改善しない
場合には、MRIなどを検討します。
治療は「段階」によって変わる
急性期(受傷直後)
・適切な固定
・炎症・腫れのコントロール
・必要に応じて松葉杖
👉 「とりあえず湿布」だけでは不十分なこともあります。
回復期
・固定の解除タイミングを見極める
・可動域の回復
・筋力・バランスの回復
この時期にリハビリが重要になります。
スポーツ復帰・再発予防
・競技特性に合わせた動作確認
・再捻挫を防ぐ動きの練習
・必要に応じてテーピング・サポーター
👉 「痛みが引いた=治った」ではありません。
受診をおすすめするサイン
・腫れや痛みが1〜2週間たっても強い
・体重をかけると不安定
・何度も同じところを捻る
・スポーツ復帰が不安
これらがある場合は、一度きちんと評価する価値があります。
最後に
捻挫は確かに身近なケガですが、対応次第で「すぐ治るケガ」にも「長く悩む原因」にもなります。
「少し気になる」
「以前から違和感が残っている」
そんな段階での受診が、結果的に一番早い回復につながることも多いです。
この記事の監修・執筆者
かなざわ整形外科・婦人科 院長 金沢 正幸
資格
医学博士/日本整形外科学会専門医/
日本整形外科学会リハビリテーション医/ 日本整形外科学会リウマチ医/
日本整形外科学会スポーツ医/ 日本医師会認定スポーツ医/日本体育協会公認スポーツドクター
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