整形外科と婦人科 ― 意外な組み合わせが生み出す新しい診療のかたち
こんにちは。
当院は「整形外科」と「婦人科」という、一見すると珍しい診療科の組み合わせを持つクリニックです。実はこれは偶然の産物で、私が整形外科、妻が婦人科を専門としていたというだけなのです。しかし開業してから日々の診療を通じ、両科が隣り合っているからこそできるサポートがあると日々強く感じるようになりました。
今回はその“意外な相性の良さ”について、実際の患者さんのケースを交えてご紹介したいと思います。
病院勤務時代には気づけなかった関係性
勤務医だった頃、整形外科と婦人科が直接やりとりをする機会は多くありませんでした。
MRIで偶然、子宮筋腫を発見したり、婦人科から腫瘍の骨転移の相談を受けたりする程度で、両者は「ほとんど接点がない診療科」という印象が正直なところでした。
ところが、クリニックという地域医療の場で診療を続けていると、整形外科と婦人科は実は非常に近い領域で患者さんを支えていることに気づいたのです。
更年期世代に多い“重なり合う症状”
婦人科、更年期外来に来られる方の多くは、肩こり・腰痛・手指の関節痛などの整形外科的な症状を併せ持っています。
一方、整形外科を肩や膝の痛みで受診された方が、実は更年期障害による不調(のぼせ・不眠・気分の落ち込みなど)を抱えていることも珍しくありません。
🩺 ケース① 50代女性
「最近、腰と膝が痛くて…」と整形外科を受診。詳しく伺うと、同時にホットフラッシュや気分の落ち込みもありました。婦人科でのホルモン補充療法を組み合わせることで、関節痛も更年期症状も一緒に改善に向かいました。
こうした“体全体の変化”を一か所で診られるのは、患者さんにとって大きな安心につながっています。
当院だからできること①
婦人科診察と一緒にリハビリ・物理療法が可能
一般的な婦人科クリニックでは、肩こりや腰痛に対して電気治療やリハビリを受けることはできません。しかし当院では整形外科が併設されているため、更年期で婦人科にかかった方も、腰痛に対する電気治療や運動器のリハビリを受けられます。
🩺 ケース② 40代女性
「婦人科で更年期といわれたけど、腰も重くて…」と受診。婦人科診察の後、整形外科リハビリ室で電気治療を受け、姿勢改善のリハビリも開始。徐々に症状が和らぎ、「婦人科で診てもらいながら体のケアもできるのがありがたい」と笑顔で話してくださいました。
当院だからできること②
骨粗鬆症をトータルで診る
骨粗鬆症は婦人科と整形外科の両方に関わる代表的な病気です。特に閉経後の女性では発症リスクが高く、婦人科的なホルモンの影響と、整形外科的な骨の評価や骨折予防の治療が密接に関係します。
🩺 ケース③ 70代女性
婦人科の検診で骨密度低下を指摘。整形外科で詳しく検査し、骨粗鬆症の薬物治療を開始。同時に運動療法や栄養指導を行い、骨折予防を一緒に取り組んでいます。
当院だからできること③
家族で通える安心感
整形外科と婦人科がそろっていることで、ご家族全員で受診いただけるケースも増えています。
子どもがスポーツでけが → 整形外科へ
お母さんは更年期症状や婦人科検診 → 婦人科へ
おばあちゃんは骨粗鬆症の検査 → 整形外科と婦人科で連携
🩺 ケース④ 中学生の息子さんとお母さん
サッカーで足首を痛めた息子さんを連れて整形外科へ。診察のついでにお母さんも「最近生理不順が気になっていて…」と婦人科を受診。その日のうちに親子そろって解決の糸口を見つけることができました。
このように一つのクリニックで家族それぞれの健康を支えられるのも、当院ならではの強みです。
私たちも、定期的に婦人科受診されたときに、息子さん元気にサッカーやっていますか?など近況を聞くのが楽しみです!
当院だからできること④
スポーツをする女性を支える
最近はスポーツに取り組む女性も多く、整形外科にはケガやオーバーユース(使いすぎによる障害)で来院される方が多いです。
その一方で、競技や試合の日程に合わせて「月経周期を調整したい」といった相談もあります。これらは整形外科単独では対応できませんが、当院では婦人科と連携してトータルにサポートが可能です。
🩺 ケース⑤ 学生アスリート
大会を控える学生さん。膝の痛みで整形外科を受診した際に「試合の日と生理が重なりそう」と相談がありました。ちょっとその辺は、整形外科での対応は難しい…。婦人科と連携して月経移動の指導を行い、安心して試合に臨むことができました。
おわりに
整形外科と婦人科。
一見かけ離れて見える診療科ですが、実際に地域で診療していると、患者さんの体と心を支えるうえでとても密接に関わっていることを肌で感じております。
更年期世代の不調と関節の痛み
骨粗鬆症の予防と治療
家族みんなで受診できる安心感
女性アスリートへのトータルサポート
こうした強みを生かして、私たちは「整形外科 × 婦人科」という独自の組み合わせで、患者さんの人生を支える診療を続けてまいります。
どうぞお気軽にご相談ください。

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かなざわ整形外科・婦人科
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院長 金沢 正幸
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター
※婦人科は女性専門医が診察にあたります。