― 季節の変わり目を快適に過ごすために
9月に入り、日中はまだ暑さが残っていても、だんだんと朝晩はひんやりとした空気を感じる日も出てきました。季節の変わり目は体調を崩しやすい時期ですが、整形外科を受診される患者さんで特に増えるのが「肩こり」と「腰痛」です。
「夏は何ともなかったのに、急に痛みが強くなった」
「朝起きると体がこわばっている」
「仕事中に肩や腰が重く、集中できない」
こうした訴えは、秋ならではの環境の変化が大きく関係しています。今回は、秋に肩こりや腰痛が増える原因とその対策について詳しくお話しします。
夏から秋にかけては、昼夜の寒暖差が大きくなります。冷えによって血流が悪くなると、筋肉は硬くなりやすく、肩や腰に負担がかかります。特に女性は冷えやすく、自律神経の乱れも重なりやすいため症状が出やすい傾向にあります。
夏の間に強い冷房や暑さで体が疲弊していると、その「夏バテ」が秋口に表面化します。筋肉や関節の回復力が落ちている状態で涼しくなると、肩こりや腰痛を感じやすくなります。
猛暑の間は外出や運動を控えていた方も多いでしょう。その結果、体幹や下肢の筋力が低下し、姿勢が崩れやすくなります。筋肉のサポートが弱くなることで、腰や肩に痛みが出やすくなります。
テレワークやスマートフォンの長時間使用も、秋の肩こり・腰痛の大きな原因です。涼しくなって家で過ごす時間が増えると、つい同じ姿勢を続けてしまい、筋肉が硬直して痛みを引き起こします。
肩こりや腰痛は一見「ありふれた症状」ですが、その背景にはさまざまな要因があります。
肩こり
首や肩周囲の筋肉が硬直し、血流が滞ることで痛みや重だるさが出ます。ひどい場合は頭痛や吐き気を伴うこともあります。
腰痛
筋肉の緊張によるものだけでなく、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった疾患が隠れている場合もあります。秋口に痛みが悪化する方は、一度専門的な検査を受けることをおすすめします。
整形外科では、必要に応じてレントゲンやMRIで原因を調べ、薬物療法、物理療法、リハビリなどを組み合わせて治療を行います。
女性の場合、季節の変わり目の腰痛や肩こりの背景にホルモンバランスが関わっていることもあります。
月経周期によるホルモン変化で、関節や靭帯がゆるみやすくなる
更年期に差しかかると、エストロゲン低下で骨密度や筋力が低下する
自律神経が乱れることで、肩こりや冷えが悪化する
そのため、肩こりや腰痛が単なる筋肉疲労ではなく、女性特有の体調変化と重なっているケースも少なくありません。婦人科的な視点を持ちながら整形外科と連携して診療することが、より適切な治療につながります。
ウォーキングやストレッチ、ヨガなど、無理のない運動で血流を促進しましょう。特に肩甲骨や股関節を動かす運動は、肩や腰の負担を減らします。
デスクワーク中は背筋を伸ばし、足裏を床にしっかりつけることが大切です。スマホを見るときは、できるだけ顔を下げすぎず、目線の高さを意識しましょう。
冷えは肩こりや腰痛の大敵です。入浴や蒸しタオルで温めると、筋肉がゆるみ痛みが和らぎます。秋からはシャワーだけでなく、湯船につかる習慣をつけましょう。
硬すぎる寝具や不自然な姿勢で眠ると、肩や腰に負担がかかります。適度に体を支えてくれる寝具を選び、十分な睡眠をとることも大切です。
肩こりや腰痛は自己流の対策だけでは改善しにくい場合もあります。当院では以下のような治療を行っています。
物理療法(低周波治療、温熱療法など)
リハビリテーション(筋力トレーニング、ストレッチ指導)
薬物療法(消炎鎮痛薬、湿布など)
生活習慣のアドバイス(姿勢・運動・栄養)
当院では、肩こりや腰痛に対して 漢方薬の処方 も積極的に行っています。西洋薬の痛み止めは即効性が期待できますが、胃腸に負担がかかることや長期使用を避けたい場合もあります。そのような際に、漢方は体質に合わせて使える柔軟な治療手段です。
葛根湯(かっこんとう)
体が冷えて肩こりや首筋のこわばりがあるときに有効とされます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷えやむくみを伴う女性の肩こりや腰痛、更年期症状を和らげる目的で使われます。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
加齢による腰痛や下肢の冷え、尿トラブルがある方に処方されることがあります。
漢方は、痛みそのものだけでなく「冷え」「疲労感」「気分の落ち込み」など全身状態を整えることを目的にしており、慢性的な肩こり・腰痛に悩む方や女性特有の症状が重なる方に適しています。
西洋医学と漢方を組み合わせることで、それぞれの利点を活かした治療が可能になります。
肩こりや腰痛の背景には、筋肉の疲労や血流の滞りがあります。当院に導入している 酸素ボックス は、体内に高濃度の酸素を取り込むことで血流を改善し、疲労回復を助けます。
長時間のデスクワークで肩や腰が重い
運動不足や冷えでだるさが続く
睡眠不足やストレスで回復が遅れている
そんなときに酸素ボックスを活用することで、体のコンディションを整えやすくなります。リハビリや生活改善と組み合わせると、より効果的に回復をサポートできます。
秋は気温差や生活リズムの変化から、肩こりや腰痛が悪化しやすい季節です。セルフケアに加えて、整形外科的治療、婦人科的視点、そして漢方の力を活かすことで、より幅広く症状に対応できます。
症状が続く場合は無理をせず当院へご相談ください。リハビリ・物理療法・薬物治療に加え、漢方や酸素ボックスを組み合わせながら、患者さま一人ひとりに合った回復をサポートいたします。

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かなざわ整形外科・婦人科
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院長 金沢 正幸
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター
※婦人科は女性専門医が診察にあたります。