― 夏の疲れを癒して元気に過ごすために
9月に入り、日中はまだ暑さが残りつつも、朝晩は涼しい風が吹くようになってきました。季節の変わり目は、体調を崩しやすい時期です。特に今年の夏は全国的に猛暑日が続き、身体にかかる負担は例年以上でした。そのため、最近「だるさが取れない」「朝起きても疲れている」「食欲が落ちている」と感じる方も多いのではないでしょうか。
このように、夏の疲れが秋になってから表面化する症状を「秋バテ」と呼びます。今回は、秋バテの原因や症状、そして整形外科・婦人科の観点から気をつけたい体調の変化、さらに元気を取り戻すための工夫についてご紹介します。
夏場は、強い日差しや高い気温に加え、冷房による室内外の温度差などで、自律神経が常に緊張状態に置かれます。また、冷たい飲み物やそうめんなどのさっぱりした食事に偏りがちで、栄養バランスも崩れやすくなります。その結果、秋口になると以下のような症状が出やすくなります。
慢性的な疲労感、だるさ
食欲不振、胃腸の不調
睡眠の質の低下
めまい、頭痛
肩こり、関節の痛み
「秋バテ」は単なる疲労ではなく、自律神経の乱れや血流の低下、免疫力の低下などが背景にあります。そのため、放っておくと風邪をひきやすくなったり、持病が悪化するきっかけにもなりかねません。
季節の変わり目は、整形外科領域の不調も増えてきます。
関節のこわばりや痛み
涼しくなると血流が悪くなり、関節や筋肉の柔軟性が低下します。夏場はあまり気にならなかった関節痛や肩こりが、秋になって出てくる方も多いです。
運動不足による筋力低下
暑い夏の間、外出や運動を控えていた方は、筋肉量が減少している可能性があります。そのまま秋冬に入ると、さらに体が硬くなり、転倒や骨折のリスクにつながります。
骨粗鬆症の進行
特に女性では、閉経後のホルモン変化により骨量が減少します。夏の間に日差しを避けて過ごしていた方は、ビタミンD不足にも注意が必要です。
このような不調を予防するためには、適度な運動とバランスの取れた食事が欠かせません。
女性はホルモンバランスの影響を受けやすく、季節の変わり目に体調を崩すことが少なくありません。
更年期症状の悪化
のぼせ、発汗、不眠、気分の落ち込みなどの更年期症状は、自律神経の乱れによって強く出ることがあります。
PMS(月経前症候群)の悪化
秋は日照時間が短くなるため、気分が落ち込みやすく、PMSの症状が強く感じられる方もいます。
冷えやむくみ
秋口は昼夜の寒暖差が大きく、体温調整が難しくなります。血流が滞ることで冷えやむくみを訴える方も増えます。
婦人科ではこうした症状の相談を受けることが多く、必要に応じて生活改善や漢方薬の使用、ホルモン療法などを提案することがあります。
夏に不足しがちだった タンパク質、ビタミンC、ビタミンB群、鉄分 をしっかり摂ることが大切です。秋の旬の食材(サンマ、さつまいも、きのこ類、果物など)を取り入れると自然に栄養が整いやすくなります。
ウォーキングやストレッチなど、無理のない運動から始めて筋肉や関節を少しずつ慣らしていきましょう。特に下肢の筋力を維持することは、転倒予防にもつながります。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで血流が改善し、自律神経のバランスも整いやすくなります。シャワーだけで済ませがちだった夏から、湯船に入る習慣へと切り替えていきましょう。
夜更かしを控え、できるだけ同じ時間に眠るようにしましょう。秋の夜長を楽しむことも大切ですが、心身の回復のためにはまず十分な睡眠が欠かせません。
当院では、酸素ボックスを導入しています。酸素ボックスは、気圧をやや高めた環境で高濃度の酸素を体内に取り込むことで、血流改善や疲労回復をサポートする治療法です。
夏バテ・秋バテによる慢性的な疲労感
睡眠不足によるだるさ
スポーツ後のリカバリー
集中力の向上
といった効果が期待できます。
季節の変わり目で体調が優れないとき、「休んでも疲れが抜けない」と感じるときには、酸素ボックスを活用してみてください。自然治癒力を高め、元気な体を取り戻すお手伝いができればと思います。

夏から秋への移り変わりは、体にとって大きな負担となる時期です。だるさや関節痛、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな不調が出やすくなりますが、日々の生活習慣を整えることで予防や改善が可能です。
もし症状が続く場合は無理をせず、当院へお気軽にご相談ください。整形外科・婦人科の両面からサポートし、皆さまが健やかに秋を迎えられるようお手伝いします。
そして、疲労回復の一助として酸素ボックスもぜひご利用ください。元気な体で、実り多い秋を過ごしていきましょう。

〒814-0003
福岡市早良区城西3丁目22-20 AP L-tage西新 3F
かなざわ整形外科・婦人科
■地下鉄「西新駅」より徒歩約4分
■西鉄バス「脇山口」より徒歩約2分
院長 金沢 正幸
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会リハビリテーション医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会スポーツ医
日本医師会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター
※婦人科は女性専門医が診察にあたります。